正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」で、1999年に制定、2012年に一部改正されました。この法律が禁止している行為は主に3つあります。1つ目は、他人のIDやパスワードを勝手に入力してシステムにログインする「不正アクセス行為(なりすましやセキュリティホールの悪用)」。2つ目は、不正アクセスをする目的で他人のパスワードを不正に取得・保管する「不正取得・保管行為」。3つ目は、他人のパスワードを無断で第三者に提供する「不正提供助長行為(パスワードの漏洩など)」です。この法律は、システムに実際に侵入した段階で適用され、データを破壊したり盗み出したりしていなくても、権限のないログイン自体が犯罪となります。また、企業などの「アクセス管理者」に対しては、不正アクセスを防ぐための適切な防御措置(パスワードの適切な管理やシステムの脆弱性対策など)を講じる努力義務を課しています。

試験では、不正アクセス禁止法で処罰の対象となる行為と、ならない行為の区別がよく出題されます。例えば、「他人のID・パスワードを許可なく第三者に教える行為」や「他人のパスワードを不正に収集・保存する行為」は処罰の対象になります。一方、「ネットワークを通じて企業のシステムに大量のデータを送りつけてダウンさせる行為(DDoS攻撃)」や「マルウェアを作成・配布する行為」は、別の法律(刑法の「電子計算機損壊等業務妨害罪」や「不正指令電磁的記録に関する罪」など)の対象となり、不正アクセス禁止法には該当しない場合があるという、法律ごとの罰則範囲の違いを理解しておくことが重要です。
関連する用語としては、コンピュータウイルス作成などを取り締まる「刑法(不正指令電磁的記録に関する罪)」、システムへの侵入を防ぐ「ファイアウォール」や「多要素認証」、システムの安全性を評価する「脆弱性診断」があります。