幅優先探索の仕組みを理解する上で重要なのが、「キュー(Queue)」というデータ構造の役割です。キューは、レジの順番待ちの列のように、「先に入れたものから先に取り出す(FIFO:First In, First Out)」性質を持ちます。幅優先探索のプログラムでは、まず現在いる場所から1歩で行ける新しい場所をすべてキューの最後尾に追加します。そして、キューの先頭から順番に場所を取り出し、さらにそこから1歩で行ける場所をまた最後尾に追加していく、という処理を繰り返します。この「古いものから順に処理する」というキューの性質によって、必然的にスタート地点から近い場所から順番に探索が行われるよう制御されています。グラフ全体をくまなく調べることができる確実な方法ですが、未探索の場所をすべてキューに保持しておく必要があるため、巨大なグラフや複雑な木構造を探索する場合には、大量のメモリを消費してしまう(空間計算量が大きくなる)という弱点もあります。
試験対策として最も重要なのは、「幅優先探索=キュー(Queue)を使う」という対応関係を条件反射で思い出せるようにすることです。これは基本情報技術者試験などで非常によく出題される鉄板の知識です。また、別の探索手法である深さ優先探索との比較も頻出します。幅優先探索は「浅いところから広く探す」「最短経路を見つけるのに向いている」「キューを使う」という特徴を持ち、一方で深さ優先探索は「行けるところまで深く探す」「メモリ消費が少ない」「スタックを使う」という特徴を持ちます。これらを表にして対比させて覚えておくことで、アルゴリズムの穴埋め問題やデータ構造を選ぶ問題に自信を持って解答できるようになります。
アルゴリズムの基礎となるキューというデータ構造の概念をしっかり理解することが不可欠です。また、探索アルゴリズムの双璧をなす深さ優先探索や、データ同士のつながりを表現するグラフといった用語とも関連して出題されます。