しかし、SRAMには物理的な制約という大きなデメリットも存在します。1ビットのデータを記憶するフリップフロップ回路を構成するためには、通常4個から6個ものトランジスタを精巧に組み合わせる必要があり、DRAM(トランジスタ1個+コンデンサ1個)と比較して回路の構造が非常に複雑になります。そのため、1つのメモリセルがシリコンチップ上で占める物理的な面積が大きくなり、同じサイズのチップに詰め込める記憶容量(集積度)はDRAMよりもずっと低くなってしまいます。また、複雑な回路は製造コストの上昇にも直結します。
このような「高速だが、容量が小さく高価」という特性から、SRAMをコンピュータの主記憶装置として数ギガバイト分も搭載することはコスト的に現実的ではありません。そのため、SRAMはCPUと主記憶装置の速度差を埋めるための小容量の「キャッシュメモリ」や、ハードディスク・SSDのデータ転送をスムーズにするための「バッファメモリ」など、局所的で速度が最優先される用途に特化して利用されています。
基本情報技術者試験などのITパスポート試験では、SRAMとDRAMの違いを明確に理解しているかを問う問題が必ずと言っていいほど出題されます。SRAMに関する設問が出た際には、以下のキーワードに反応できるようにしておくことが得点源になります。
よくある誤答選択肢として、「SRAMは定期的なリフレッシュが必要であるためキャッシュメモリに適している」というように、正しい記述と誤った記述を意図的に混ぜた選択肢が出題されます。フリップフロップ・リフレッシュ不要・キャッシュメモリという3つのキーワードを強固に結びつけて記憶しておきましょう。
SRAMの比較対象として常に取り上げられるDRAMや、SRAMが実際に利用されている代表的な装置であるキャッシュメモリ、そしてSRAMがデータを保持するための回路構成であるフリップフロップ回路などが関連する重要用語です。