OSSを採用する最大のメリットは、ライセンス費用(利用料)がかからないケースが大半であるため、システムの導入・運用コスト(TCO)を大幅に削減できる点です。また、ソースコードが公開されているため、特定のITベンダー(企業)の独自技術や製品仕様にシステムが過度に依存してしまい、他への乗り換えが困難になる「ベンダーロックイン」と呼ばれる状態を回避できるという戦略的な利点もあります。さらに、世界中の多数のエンジニアの目を通してソースコードがチェックされるため、セキュリティの脆弱性やプログラムのバグが早期に発見され、迅速に修正パッチが提供される傾向があることも評価されています。
一方で、利用にあたっては「自己責任」が原則となるため、商用のプロプライエタリ・ソフトウェア(ソースコード非公開の有償ソフト)のような手厚い公式サポートが受けられない場合が多いという注意点があります。トラブル発生時にはコミュニティのフォーラムや過去のドキュメントを自力で調査して解決する能力が求められ、複数のOSSを組み合わせて要件を満たすシステムを構築・保守する際には、かえって高度な技術力が必要になることもあります。
ITパスポートや基本情報技術者試験では、OSSの定義そのものと、分野ごとの代表的なソフトウェアの名称が頻繁に問われます。「ソースコードが公開されており、目的を問わず利用でき、改変や再配布が自由である」という基本的な特徴をしっかりと押さえておきましょう。
代表的なOSSとして、OSの分野では「Linux」や「Android」、Webサーバーでは「Apache HTTP Server」や「Nginx」、リレーショナルデータベースでは「MySQL」や「PostgreSQL」、プログラミング言語では「Python」「Java」「PHP」、そしてWebブラウザのベース技術である「Chromium」などの名称と役割をセットで記憶しておくことが得点につながります。
また、無料で使える他のソフトウェア形態との違いを区別できるかもよく問われます。一定期間は無料だが継続利用には料金の支払いが必要な「シェアウェア」や、無償で利用できるがソースコードは非公開で勝手な改変が禁じられている「フリーウェア(フリーソフト)」とOSSの違いは明確に意識してください。OSSは単に「無料である」こと以上に、「ソースコードが公開され、改変や再配布の自由が保証されている」ことが最大のポイントです。
Linux、ベンダーロックイン、GPL、プロプライエタリ・ソフトウェア
