行列(ぎょうれつ)とは、複数の数値を縦(行:ぎょう)と横(列:れつ)に格子状に並べて、括弧で囲んでひとまとめにしたものです。数学や物理のツールですが、コンピュータの世界、特に3DグラフィックスやAI(ディープラーニング)の処理において極めて重要な役割を果たしています。コンピュータは、たくさんの点や数値を一度にまとめて計算するのが得意です。行列を使うと、何万個もの座標データに対して「回転させる」「拡大する」「移動する」といった複雑な一連の計算を、たった1つのシンプルな数式の掛け算としてまとめて一瞬で処理させることができます。スマホのカメラアプリのフィルター処理や3Dゲームが滑らかに動くのも、この行列計算のおかげです。
2行2列の簡単な行列のイメージと、これを使って画面上のキャラクターの座標(2次元)を移動させる例です。
行列の見た目:
[ 2, 0 ]
[ 0, 2 ] (これは「すべてを2倍に拡大する」効果を持つ行列です)
キャラクターの元の位置 [ x, y ] = [ 3, 5 ] に対し、
この行列を掛け合わせることで、瞬時に新しい位置
[ 6, 10 ] (2倍に拡大された座標)を計算することができます。