情報理論の父と呼ばれるクロード・シャノンが1948年の論文で発表したこの定理は、通信路容量の公式「C = W log2(1 + S/N)」として知られています。ここで、Cは通信路容量(1秒間に送れる最大ビット数)、Wは周波数帯域幅(通信に使える道路の幅のようなもの)、Sは信号電力(声の大きさ)、Nは雑音電力(周囲のうるささ)を表します。この数式が意味するのは、「通信速度を上げるためには、帯域幅を広げるか、ノイズに対する信号の強さ(S/N比)を上げるしかない」ということです。逆に言えば、どんなに強力なエラー訂正技術を開発しても、この公式で計算された容量 C を超える速度でエラー無しに通信することは物理的に不可能であるという、超えられない壁を証明した点に偉大な価値があります。
試験において、シャノンの定理の複雑な数式の計算そのものが問われることは稀ですが、「通信路の帯域幅(周波数帯域)」と「S/N比(信号対雑音比)」が通信路容量を決定づける2大要素であるという概念は必ず押さえておきましょう。問題文に「ノイズのある通信路において、誤りなく通信できる最大の情報伝送速度に関する定理」とあれば、シャノンの定理を指しています。また、通信路符号化(エラーを訂正して正しく通信する技術)の限界に関する定理であるため、データの圧縮限界を示す「情報源符号化定理」と混同しないように注意が必要です。両者ともにシャノンが提唱したものですが、役割が異なります。
通信品質を評価する上で重要なS/N比、単位時間あたりに通信できるデータ量を表す通信路容量、データの圧縮限界に関する情報源符号化定理などが関連します。