このとき、労働者派遣法により、メーカーBはあなたに対して「聞いていた仕事内容とは全く違う危険な作業をさせる」といったことはできません。また、企業が労働者を直接雇う責任から逃れるために、名目上は「仕事を完成させる契約(請負契約)」と見せかけて、実際は派遣のように人を使って指示を出す「偽装請負」という違法行為もこの法律で固く禁止されています。
もう少し詳しく
労働者派遣法(正式名称:労働者派遣事業 of 適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)は、複雑な雇用関係において労働者の権利を守るための法律です。特にIT業界では、システム開発の現場で「派遣」と「請負」の形態が日常的に使われるため、この法律の理解が非常に重要です。派遣契約では、労働者は派遣元(人材派遣会社など)と雇用契約を結び、給与の支払いや福利厚生は派遣元から受けますが、実際の業務の指示(指揮命令権)は派遣先(開発現場の企業など)の責任者から受けます。これに対し、「請負」や「準委任」といった契約形態では、労働者への指揮命令権はあくまで自社(請負元)にあり、発注元の社員が直接作業指示を出すことはできません。発注元の社員が請負労働者に直接指示を出してしまう状態は、労働者派遣法に違反する「偽装請負」として厳しく罰せられます。