ISMSは、組織が保有するすべての情報資産を対象として、技術的対策(ファイアウォールなどの導入)だけでなく、人的対策(社員教育)、組織的対策(ルールの策定や責任体制の明確化)、物理的対策(入退室管理など)を組み合わせた総合的な管理体系です。セキュリティ事故は、どれほど優れたシステムを導入していても、社員の一度のメール誤送信やパスワード使い回しといった「人的要因」から容易に発生します。そのため、ISMSでは経営陣が主導して「情報セキュリティ基本方針」を宣言し、これに基づいて具体的な「対策基準」や「実施手順」を文書化し、全社に浸透させることが基本となります。さらに、運用状況を客観的にチェックするための内部監査を実施し、セキュリティ環境の変化(新たな脅威の出現や業務内容の変更)に合わせ、PDCAサイクルを回しながら継続的にルールや技術的対策を改善し続けるプロセス自体が、ISMSの最も重要な本質と言えます。
試験対策としては、ISMSが「技術的対策だけでなく、組織全体で取り組むマネジメント(管理)の仕組みである」という本質を理解することが大切です。また、ISMSの運用は「PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクル」に基づいて継続的に改善されるものであること、経営陣のリーダーシップが不可欠であることなどが頻繁に出題されます。よくある間違いの選択肢として「ISMSの目的は、情報漏洩などのリスクを完全にゼロにすることである」というものがありますが、現実的にリスクをゼロにすることは不可能なため、「リスクを組織の許容できるレベルまで低減し、維持すること」が正しい目的であることを押さえておきましょう。
ISMSに関連する用語には、ISMS認証を取得するための国際規格である「ISO/IEC 27001」、セキュリティ対策を継続改善する手法である「PDCAサイクル運用」、そしてセキュリティ管理全体の最高責任者である「CISO」があります。