秘密保持契約(NDA)は、英語の「Non-Disclosure Agreement」の略で、ビジネスにおける情報漏洩リスクを法的にコントロールするための最も基本的な契約の一つです。企業間で共同事業の検討やM&A、外注(委託)の商談などを行う際、初期段階から「社外秘」のデータや技術情報、財務データを開示せざるを得ない場面が多く発生します。NDAを結ぶことで、開示された情報は「本目的以外に使用してはならない(目的外使用の禁止)」こと、および「第三者に開示してはならない(開示範囲の制限)」ことが義務付けられます。NDAの契約書には、何が「秘密情報」に該当するかの定義、情報の保管・管理方法、契約の有効期間(取引終了後も数年間有効とするのが一般的です)、そして万が一違反して情報が漏洩した場合のペナルティ(損害賠償請求や差止請求など)が明記されます。これにより、情報の開示者は安心して自社の強みやノウハウを相手方に提供し、ビジネスの交渉を前に進めることができます。
試験対策としては、秘密保持契約(NDA)を締結すべきタイミングと、その目的について問われます。具体的には、「他社とシステム開発の共同提案や商談、委託業務の検討を『開始する前(情報を開示する前)』に締結する」というタイミングが重要です。情報が一度相手方に渡ってからでは、NDAの効力が過去に遡って適用しづらくなるため、必ず事前締結が求められます。また、情報の「目的外使用の禁止」や「第三者への漏洩防止」が主な目的であること、およびNDAは法的な契約であるため、違反時の「損害賠償請求の根拠」となる点を理解しておきましょう。実務的なセキュリティ人的対策の一環としても分類されます。
秘密保持契約(NDA)に関連する用語には、他社に業務を委託する際のセキュリティ基準を定める「情報セキュリティポリシー」、従業員自身が退職時などに秘密を漏洩しないように結ぶ「セキュリティ教育・訓練」(入社時誓約書など)、および国際的な取引基準である「ISO/IEC 27001」などがあります。