情報セキュリティにおける真正性は、英語の「Authenticity」に対応する概念であり、システムやデータ、あるいは通信の主体が主張通り「本物である」ということを確認できる性質を指します。真正性が欠如すると、なりすましによる不正操作や、フィッシング詐欺サイトのように本物そっくりに作られた偽システムにユーザーが騙される事態が発生します。真正性を確立するための技術的手段としては、ユーザー認証(ID・パスワード、ICカード、生体情報など)や、通信相手が本物であることを証明するデジタル証明書(SSL/TLS証明書)、データが改ざんされていない本物であることを示すデジタル署名などが挙げられます。また、企業や組織のセキュリティにおいて真正性を維持することは、取引の信頼性を保証するための基礎であり、これが揺らぐとサービスの存続自体が危ぶまれることになります。
試験では、真正性を確保するための具体的な技術や対策について問われます。特にデジタル署名(電子署名)や公開鍵暗号基盤(PKI)を利用した利用者証明、およびワンタイムパスワードや多要素認証(MFA)を用いた認証強化策が真正性の確保に直結することを理解しておきましょう。また、類似する概念である「信頼性」との違いについても意識する必要があります。信頼性はシステムがバグやエラーを起こさずに意図通りに動作する性質を指すのに対し、真正性は「本物であること」を証明する性質です。試験問題で「なりすましを防ぐ」「通信相手が本物であることを確認する」というキーワードが出てきたら、真正性と結びつけて考えるのが正解への近道です。
真正性と関連の深い用語には、アクセスしている人が本人であることを複数の手段で確認する「多要素認証」、データの発信元や内容が本物であることを技術的に保証し後からの主張の覆りを防ぐ「否認防止」、そしてシステムの操作記録を正確に残す「ログ管理」などがあります。これらを組み合わせることで、強固な真正性をシステム全体で担保することができます。