
TCP SYNフラッド攻撃は、TCP通信を開始するための「3ウェイ・ハンドシェイク」を途中で止め、サーバーやファイアウォールに大量の未完了接続を抱えさせるDoS・DDoS攻撃です。
この攻撃は1990年代から知られています。しかし、過去の攻撃になったわけではありません。
現代のSYNフラッドは、単純にサーバーの接続キューを埋めるだけではありません。大量のパケットで回線やネットワーク機器を圧迫する攻撃、ボットネットから低レートで分散送信する攻撃、複数のIPアドレスへ広く散布するカーペット・ボミングなどへ発展しています。
Cloudflareの2025年第1四半期DDoSレポートでも、SYNフラッドはネットワーク層における最も多く観測された攻撃ベクトルと報告されています。したがって、SYN Cookieを有効にするだけではなく、サーバー、ネットワーク機器、CDN、DDoS対策事業者を組み合わせた多層防御が必要です。
TCP SYNフラッド攻撃の本質は、次の2種類に分けて考えると理解しやすくなります。
1つ目は、サーバーやファイアウォールに未完了接続の状態を大量に保持させる状態枯渇型です。
2つ目は、大量のSYNパケットを送り込み、回線帯域、ルーター、NIC、CPU、パケット処理能力を使い切らせる帯域・パケットレート枯渇型です。