攻撃者が専用のマルウェアを大量に持ち込むとは限りません。PowerShell、WMI、rundll32、mshtaなど、管理者やシステムが日常的に使用する機能を「攻撃用の道具」として転用します。
「環境寄生型」は仕組みを理解しやすくするための説明的な呼び方です。一般にはLiving off the Land、略してLOTLと呼ばれます。Windows上で悪用される正規バイナリ、スクリプト、ライブラリは、LOLBinsまたはLOLBASと呼ばれることがあります。CISAも、LOTLをシステム固有のツールやプロセスを悪用する活動として整理しています。
前節の「Land攻撃」と名前が似ていますが、目的も仕組みも異なります。
| 比較項目 | Land攻撃 | Living off the Land |
|---|---|---|
| 主な対象 | 古いTCP/IP実装 | 侵入後のOSや社内環境 |
| 攻撃方法 | 送信元と宛先を同一にした異常パケット | 正規ツールや管理機能を悪用 |
| 主な目的 | フリーズ、クラッシュ、DoS | コード実行、情報収集、横展開、検知回避 |
| 必要な条件 | 脆弱なプロトコル実装 | 端末やアカウントへの侵入 |
| 防御の中心 | 更新、パケットフィルタリング | 実行制御、ログ監視、EDR、権限管理 |