Chapter 5
情報セキュリティの用語を順に解説します。
PKIとはPKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)とは、インターネットなどの安全ではないネットワーク上で、データを暗号化して送受信したり、相手が本物であるかを証明したりするための、暗号技術、証明書、信頼できる第三者機関などを組み合わせた総合的なセキュリティの仕組みです。PKIは「公開鍵暗号」という技術をベースにしています。誰もが見てよい「公開鍵」と、本人しか持たない「秘密鍵」のペアを使い、データの暗号化やデジタル署名を行います。しかし、「その公開鍵が本当に本人のものか」を証明できなけ
楕円曲線暗号(ECC)とは楕円曲線暗号(ECC:Elliptic Curve Cryptography)は、数学の「楕円曲線」という複雑なグラフの性質を利用した公開鍵暗号方式です。従来の暗号方式(RSAなど)と比較して、はるかに短い鍵の長さ(データサイズ)で同等以上の強力な安全性を確保できるのが最大の特徴です。鍵が短いため、暗号化や復号に必要な計算量が少なくて済み、スマートフォンのようなモバイル端末や、処理能力に制限があるIoT機器でも高速かつ省電力で動作させることができます。具体例具体例として、私たちが日常的に利
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)とはWAFは、WebサイトやWebアプリケーションへのアクセスを監視し、不正な攻撃から守るためのセキュリティ対策システムです。一般的な「ファイアウォール」がネットワーク全体の通信を制御するのに対し、WAFはWebの通信(HTTP/HTTPS)に特化しています。通信の中身(リクエストデータ)を詳細にチェックし、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったWebアプリ特有の脆弱性を狙った攻撃パターンを検知して遮断します。具体例例えば、ネットショッ
SIEM(セキュリティ情報イベント管理)とはSIEM(Security Information and Event Management)は、企業内のさまざまなシステム(PC、サーバー、ネットワーク機器、ファイアウォールなど)から出力される膨大なログ(利用履歴)を1か所に集約し、リアルタイムで自動的に監視・分析するシステムです。それぞれの機器のログを単体で見るだけでは気づけないような、複雑に絡み合った不審な動きやサイバー攻撃の兆候を、複数のログの関連付け分析(相関分析)によっていち早く発見することができます。具体例
ゼロトラストアーキテクチャとはゼロトラストアーキテクチャは、「何も信頼しない(Zero Trust)」を前提としたセキュリティの設計思想です。従来のセキュリティは、社内ネットワーク(境界の内部)は安全で、外部インターネットは危険という「境界防御」の考え方でした。しかし、テレワークの普及やクラウドサービスの利用増加に伴い、社内外の境界が曖昧になりました。ゼロトラストでは、アクセス元が社内であっても社外であっても、アクセスする人、端末、データごとにその都度厳密に認証・認可を行い、常に安全性を確認します。具体例社員が自宅
脆弱性診断とは脆弱性診断(セキュリティスキャン、またはペネトレーションテスト)は、システムやソフトウェア、ネットワークに、ハッカーに悪用される恐れのある「安全上の欠陥やセキュリティの弱点(脆弱性)」が存在しないかを調査・検証する作業です。診断ツールを使った自動診断や、セキュリティ専門家が疑似的なハッカーとなって実際に侵入を試みるテスト(ペネトレーションテスト)を通じて、事前に弱点を洗い出し、攻撃を受ける前に対策を講じるために行われます。具体例新しく構築したオンライン銀行アプリのリリース前に、専門のセキュリティ会社に
サンドボックスとはサンドボックス(Sandbox)とは、外部から受け取ったプログラムやファイルを、安全に動作させて様子を見るために用意された「隔離された仮想の作業環境」のことです。子供が遊ぶ「砂場(サンドボックス)」が語源であり、砂場の中であればどれだけ泥遊びをしても周囲の庭や家を汚さないのと同じように、サンドボックス内で怪しいファイルをわざと実行させてその挙動を観察し、もしウイルスなどの悪意あるプログラム(マルウェア)であっても、実際のパソコンや社内ネットワークに被害が及ばないようにします。具体例メールに添付され
OAuthとはOAuth(オーオース)は、あるWebサービスが持つユーザーのデータへのアクセス権限を、ユーザーのIDやパスワードを直接教えることなく、別のWebサービスに安全に「認可(権限の付与)」するための標準プロトコル(手順の決まり)です。これにより、ユーザーは自分のアカウント情報を開示するリスクを避けることができ、サービス間での連携を安全かつスムーズに行えるようになります。具体例例えば、あなたが新しい旅行予約サイトを利用する際、そのサイトに新しくIDやパスワードを登録する代わりに、「Googleでログイン」や
SAMLとはSAML(Security Assertion Markup Language)は、異なるドメイン(組織やWebサービス)の間で、ユーザーの認証情報(ログイン状態など)を安全に交換するためのXMLベースの規格です。主に企業で導入されている「シングルサインオン(SSO)」を実現するために使われます。SAMLを利用することで、ユーザーは会社のアカウントに一度ログインするだけで、連携している別のクラウドサービス(SlackやSalesforceなど)にも個別のログインなしで安全に自動ログインできるようになりま
公式資料へのリンクと確認日を各記事に掲載しています。