アンゾフの成長マトリクスは、事業拡大に伴う「リスクとリターン」を視覚的に評価するための戦略構築ツールです。各象限の戦略的特徴は以下の通りです。・市場浸透戦略(既存製品×既存市場):シェア拡大や顧客ロイヤルティ向上、購入頻度増加を図ります。既存の強みをそのまま活かせるため、最もリスクが低い基本戦略です。・新製品開発戦略(新規製品×既存市場):既存顧客のニーズに基づき、機能拡張や新商品を投入します。開発投資や競合との差別化が必要ですが、顧客基盤を活かせます。・新市場開拓戦略(既存製品×新規市場):地理的な拡大(海外進出など)や、異なるターゲット顧客層(B2CからB2Bへの展開など)の獲得を目指します。自社製品の強みが通じるかを見極めるマーケティング調査が不可欠です。・多角化戦略(新規製品×新規市場):既存の製品・市場から外れ、未知の領域へ進出します。相乗効果(シナジー)を狙う場合もありますが、最も不確実性が高く、高いリスク(失敗率)を伴います。アンゾフはさらに、多角化を「水平多角化」「垂直多角化」「同心多角化」「集成(コングロマリット)多角化」の4つに細分化して論じており、企業経営においてどの程度の資源集中とリスク分散を行うかの重要な指標を提供しています。