固定費(Fixed Cost)と変動費(Variable Cost)の分類は、企業の財務分析や経営戦略を立てる上で基本となる概念です。固定費は、生産量や販売量に関わらず発生する費用であり、例えば工場の減価償却費、管理部門の人件費、オフィスの賃料などが該当します。売上が少ない時期でも固定費は減少しないため、売上高に占める固定費の割合が高い「固定費型のビジネス」(製造業やソフトウェア開発業など)は、損益分岐点が高くなりやすく、不況時の赤字リスクが高まります。しかし、一度損益分岐点を超えると、売上の増加がそのまま大きな利益へとつながる「営業レバレッジ」が働く特徴があります。近年では、クラウドサービスの利用(サブスクリプション)によって、従来は自社サーバー購入などの「固定費(設備投資)」だったものを、利用量に応じた「変動費(経費)」へと移行させることで、リスクを低減するIT投資の動きが主流となっています。
試験では、具体的な費用項目が「固定費」と「変動費」のどちらに分類されるかを判別する問題が出題されます。正社員の基本給や事務所の家賃、設備の減価償却費は「固定費」であり、原材料費や商品の仕入代金、配送費、歩合制の手数料などは「変動費」に分類されます。また、これらの比率を調整することで損益分岐点を引き下げる経営改善手法や、前述のクラウド導入(オンプレミスの固定費からクラウドの変動費へのシフト)が経営に与える影響について出題されることもあります。
関連する用語としては、対になる概念である「変動費」、これらを分析して黒字化のラインを探る「損益分岐点」、固定資産の価値を分割して経費化する「減価償却」があります。