減価償却(Depreciation)の根底には、会計上の「費用収益対応の原則」があります。これは、その期に得られた収益に対応する費用を、正しく同じ期に計上すべきという考え方です。例えば、1台のサーバーを5年間使用してサービスを提供し、毎年売上を得る場合、購入した初年度だけに購入代金の全額を費用として計上すると、初年度は極端な赤字、2年目以降は費用ゼロで大黒字となり、毎年の正しい収益力が歪んでしまいます。これを防ぐため、資産の「耐用年数(法律で定められた使用可能期間)」に応じて分割して計上します。計算方法には、毎年一定額を計上する「定額法」と、最初の年ほど多く計上し年々減らしていく「定率法」の2つがあります。IT資産(ソフトウェアやハードウェア)の減価償却は、税法上のルールに則って適切に処理する必要があります。
試験では、減価償却の意義(費用収益対応の原則)や、定額法・定率法それぞれの計算方法と特徴について問われます。特に定額法の計算問題が出題されることが多く、「(取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数」の式を用いて各期の減価償却費を算出させます(※現在の日本の税法では残存価額はゼロとして計算することが一般的です)。定率法については「初期の償却額が大きく、徐々に減っていくため、初期の節税効果が高い」といった特徴が問われることがあります。また、自社利用ソフトウェアの制作費が資産として計上され、減価償却の対象になる点も出題ポイントです。
関連する用語としては、企業の資産状況を示す「貸借対照表」、利益と経費を報告する「損益計算書」、償却期間の基準となる「耐用年数」があります。