
固定小数点数(こていしょうすうてんすう)とは、コンピュータで小数を扱う際に、小数点の位置をあらかじめ特定の場所に固定しておく数値の表現方法です。例えば、「常に下から2桁目の左側に小数点がある」と決めておけば、整数と同じ仕組みを使って小数の計算を行うことができます。この方式は、小数点の位置を管理するための余計な計算が不要なため、計算速度が非常に速いという特徴があります。その一方で、表現できる数値の範囲(非常に大きな数や、逆に非常に小さな数)が狭くなってしまうという制限があります。そのため、速度が最優先されるリアルタイムの処理や、お金の計算のように小数点以下の正確さが厳密に求められるシステムで用いられます。
例えば、お金の計算において、常に小数点以下2桁までを記録するルールを考えます。
「12.34」という小数を、小数点を固定して「1234」という整数として記録します。
「5.67」を「567」として記録し、足し算を行います。
1234 + 567 = 1801
結果の「1801」に対し、決めておいた位置に小数点を戻して「18.01」とします。このように、内部的にはただの整数として扱いながら、最後に小数点を戻すことで高速かつ正確に小数を計算することができます。