近年では、クラウドコンピューティングの普及により、物理的なサーバーの修理を待つのではなく、「壊れた仮想サーバーは破棄し、あらかじめ用意しておいた自動スクリプトを使って、数分で新しいサーバーを構築して置き換える」という運用(イミュータブルインフラストラクチャ)が広まっており、これによりMTTRを劇的に短縮することが可能になっています。
基本情報技術者試験において、MTTRはMTBFと並んで稼働率の計算問題における必須の要素です。計算問題では「MTTRが○時間、MTBFが○時間のシステムの稼働率はいくつか」といった形で出題されます。稼働率を求める公式「MTBF / (MTBF + MTTR)」の中に正しく当てはめて計算できるよう訓練しておきましょう。
また、RASISの観点から「保守性」を高めるための施策を問う問題において、「MTTRを短縮すること」が正解となる選択肢がよく出ます。試験で迷いやすいポイントとして、MTBFは「値が大きい(長い)ほど優秀」であるのに対し、MTTRは「値が小さい(短い)ほど優秀」であるという違いがあります。問題文を素早く読む際に、この「大きい方が良い指標」と「小さい方が良い指標」を混同しないように注意深く読み解くことが得点の鍵となります。
MTTRと対になる指標が「MTBF(平均故障間隔)」です。両者を組み合わせて算出される「稼働率」はシステムの総合的な安定性を示します。また、システム評価指標の枠組みである「RASIS」において、MTTRは「S(Serviceability:保守性)」を評価するための数値として扱われます。故障を前提として被害を最小限に抑えつつ素早く復旧させる設計思想である「フェールソフト」とも関連が深い用語です。