工数見積りは、プロジェクトを成功させるためのスケジュールと予算の土台を築く作業です。工数を表現する「人月」という単位は、「1人が1ヶ月間フルタイムで作業した場合の労働量」を表します。工数見積りの精度を高めるために、複数の見積もり技法が使われます。開発初期の段階では、過去の類似プロジェクトの総工数から類推して見積もる「類推見積り(トップダウン見積り)」が使われ、詳細設計が進んだ段階では、WBSで洗い出された個々の作業パッケージ(タスク)ごとに工数を見積もって最後に合算する「積上げ見積り(ボトムアップ見積り)」が用いられます。また、ファンクションポイント法のように機能の難易度から機械的に計算する手法や、数式モデルを用いてソフトウェア特性を代入する「COCOMO」といった手法もあります。見積もりは一度で終わらせず、不確実性が減るプロジェクトの進行に伴って繰り返し再見積もりを行うのが理想的です。
試験では、各見積もり手法(類推見積り、ボトムアップ見積り、ファンクションポイント法、COCOMO)の特徴やメリット・デメリットを整理した問題がよく出題されます。また、人月の計算問題も定番です。「15人月の作業を3人で並行して行う場合、完了までに何ヶ月かかるか(5ヶ月)」といった単純な計算のほか、開発効率の低下やコミュニケーションコストを考慮する問題が出題されます。「人を2倍に増やしたからといって、開発期間が単純に半分になるわけではない(ブルックスの法則)」というプロジェクト管理の現実的な課題についても理解が求められます。
タスクを細分化するWBS、プロジェクト管理全体の枠組みであるPMBOK、工数をもとに描かれるスケジュール表であるガントチャートやアローダイアグラム、さらに規模測定のファンクションポイント法などと緊密に連携します。