SaaS(Software as a Service:サース、またはサーズ)は、クラウドコンピューティングの一形態であり、現在最も身近に利用されているクラウドサービスです。従来のソフトウェアは「パッケージソフト(買い切り型)」と呼ばれ、電気屋でCD-ROMやDVDを購入したり、インターネットからインストーラーをダウンロードしたりして、自分のパソコンに直接インストールする必要がありました。この方法では、パソコンの買い替えのたびに再インストールが必要であり、バージョンアップも手動で行う手間がかかっていました。SaaSでは、ソフトウェアを動かすプログラム本体やデータはすべてサービス提供者のサーバー(クラウド上)に置かれています。ユーザーはWebブラウザ(ChromeやEdgeなど)を通じて、インターネット経由でそのソフトウェアの機能だけを「サービスとして利用」します。SaaSの最大のメリットは「導入のしやすさ」と「運用の手軽さ」です。初期費用が安く済み、インターネット環境さえあれば場所や端末(PC、スマホ、タブレット)を問わずどこからでもアクセスできるため、テレワークの普及にも大きく貢献しました。また、システムの保守管理やセキュリティ対策、新機能の追加といった面倒な作業はすべてサービス提供側が自動で行ってくれるため、ユーザーは常に最新の状態で安全に利用できます。デメリットとしては、カスタマイズの自由度が低いこと(提供された機能に自分たちの業務を合わせる必要がある)、そしてインターネット障害が発生するとサービスが一切利用できなくなるリスクがある点が挙げられます。