企業がダイバーシティを推進する主な背景とメリットは以下の通りです。第一に、深刻化する少子高齢化に伴う労働力不足に対し、女性、高齢者、外国人、障害者などの潜在的な労働力を活かすことができます。第二に、異なる視点やバックグラウンドを持つ人材が交わることで、従来の画一的な発想を打破するイノベーションが創出されやすくなります。第三に、世界中の多様な顧客やローカル市場のニーズに対して、当事者の視点を持ってより的確に対応することが可能になります。現在、ダイバーシティへの取り組みは、企業の持続可能性を評価する重要な指標となっています。
ITパスポート試験において、ダイバーシティはストラテジ系(企業活動、組織論・人的資源管理)の分野で、現代の雇用・働き方の多様化や、企業の持続的な成長戦略に関連して出題されます。
試験対策の重要なポイントは、ダイバーシティ推進が「社会貢献活動や弱者救済といったボランティア目的」ではなく、「企業のイノベーション創出や競争力強化、優秀な人材確保を目指すための『積極的な経営戦略』である」というビジネス上の意義を理解することです。過去問でも、多様な人材の活用が組織にどのような好影響を与えるか(組織の活性化、顧客対応力の向上など)を答えさせる問題がよく出題されています。また、多様な人材がその能力を発揮するための前提条件となる「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」や「テレワーク(在宅勤務)」などの各種人事制度と紐付けられて問われることもあるため、組織の柔軟性を支える周辺用語も同時に理解しておきましょう。
ダイバーシティに関連する用語には、多様な人材を組織に受け入れて一体化する「インクルージョン」、私生活と仕事を両立させることで多様な人材が働き続けられる環境を整える「ワークライフバランス」、そして多様な人材がいつでもどこでも働けるIT基盤となる「テレワーク(在宅勤務)」があります。