サイバーセキュリティ基本法は、日本政府のセキュリティ戦略の「憲法」のような役割を持っています。この法律の大きな意義は、国(政府機関)、地方公共団体、重要インフラ事業者(電力、ガス、鉄道、通信、金融など国民生活に直結する分野)、サイバーセキュリティ関連事業者、および教育・研究機関など、社会の各主体が「どのような責務を持ち、どう連携すべきか」を体系化した点にあります。特に重要インフラ事業者に対しては、サービスの安定供給を維持するために、自主的なセキュリティレベルの向上や国への情報提供などが責務として位置づけられています。また、この法律の規定に基づき、内閣に「サイバーセキュリティ戦略本部」が設置され、日本のセキュリティに関する中長期的な基本計画である「サイバーセキュリティ戦略」を閣議決定して実行する体制が作られました。単に犯罪を取り締まるだけでなく、技術開発の推進やセキュリティ人材の裾野を広げるための教育振興、さらには国際連携を通じたサイバー空間の秩序維持を目指す包括的な内容となっています。