アクセス制御の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

目次

アクセス制御とは

アクセス制御とは、コンピュータシステムやネットワークにおいて、特定のデータや機能を利用できる「人」や「端末」を制限し、許可されたものだけにアクセスを許す仕組みのことです。すべての社員が会社のあらゆるデータを見られる状態にしておくと、無関係のデータが誤って消去されたり、機密情報が盗まれたりするリスクが高まります。アクセス制御を行うことで、業務に必要な人だけに必要な権限を与える「最小権限の原則」を適用し、安全性を保ちます。

具体例

会社の共有サーバーに保存されているフォルダの権限管理を例に考えてみましょう。

システム管理者は、以下のようにユーザーの役職や所属部署に応じてアクセス制御を設定します。

  • 人事フォルダ(給与情報など):人事部の社員のみ「閲覧・編集」が可能。他部署の社員はフォルダを開くことすらできない(アクセス拒否)。
  • 営業フォルダ(提案書など):営業部の社員は「閲覧・編集」が可能。他部署の社員は「閲覧のみ(読み取り専用)」が可能。
  • 共有フォルダ(社内お知らせ):全社員が「閲覧・編集」が可能。

もう少し詳しく

アクセス制御(Access Control)は、セキュリティ設計における「最小権限の原則(Principle of Least Privilege)」を実現するための基本的な防衛策です。アクセス制御は主に以下の3つのプロセスで構成されています。
1. 識別(Identification):ユーザーが誰であるかを名乗るプロセス(例:ユーザーIDの入力)。
2. 認証(Authentication):名乗ったユーザーが本当に本人であるかを確認するプロセス(例:パスワードの検証や多要素認証の実施)。
3. 認可(Authorization):本人確認が取れたユーザーに対し、事前に定められた権限(読み取り、書き込み、実行、削除など)を割り当てるプロセス。
アクセス制御の具体的な方式には、ファイルの所有者がアクセス権を設定する「任意アクセス制御(DAC)」や、システム全体で厳格なセキュリティポリシーを強制する「強制アクセス制御(MAC)」、およびユーザーの職務や役割に基づいて権限を割り当てる「ロールベースアクセス制御(RBAC)」などがあります。これらを適切に設計することで、外部からの不正アクセスだけでなく、内部の権限逸脱による不正やミスによるデータ破損の被害を最小限に食い止めることができます。

試験でのポイント

試験においては、アクセス制御の設計原則である「最小権限の原則」という用語と、その定義が頻出します。「業務を遂行するために必要最小限の権限のみをユーザーに付与する」という考え方です。また、アクセス制御リスト(ACL: Access Control List)という概念もよく出題されます。ACLは、ネットワーク機器やフォルダにおいて「どのIPアドレスやユーザーに対して、どの操作(許可・拒否)を認めるか」を一覧化したリストです。さらに、職務の分掌(不正防止のために、申請者と承認者のアカウント権限を分けること)もアクセス制御の設計に含まれるため、これらを組み合わせて理解しておきましょう。

関連する用語

アクセス制御に関連する用語には、アクセスする本人の身元を確認する「多要素認証」、誰がどの権限を使ってアクセスしたかのログを記録する「ログ管理」、およびこれらのセキュリティ要件を組織で定義する「情報セキュリティポリシー」があります。

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