Amazon Route 53の解説(AWS認定クラウドプラクティショナーシラバス用語)

Amazon Route 53の解説(AWS認定クラウドプラクティショナーシラバス用語)
目次

Amazon Route 53とは

Amazon Route 53(アマゾン ルート フィフティスリー)は、AWSが提供する、極めて可用性が高くスケーラブルなフルマネージド型のクラウドドメインネームシステム(DNS:Domain Name System)ウェブサービスです。DNSの最も基本的な役割は、人間が理解しやすいWebサイトのアドレス(例:www.example.com)を、コンピュータがネットワーク上で通信する際に使用する数字のIPアドレス(例:192.0.2.1)に変換(解決)することです。Route 53は、世界中に配置されたエッジロケーションを活用してドメイン名の解決を行うため、世界中からのリクエストに対して極めて高速かつ安定した応答を提供します。ドメイン名の「新規登録・購入(レジストラ機能)」から、アクセスを別のサーバーへ誘導する「ルーティング機能」、さらには接続先のシステムが正常に動作しているかを監視する「ヘルスチェック機能」までを網羅した、インターネットアクセスの入り口を支える重要なサービスです。(なお、サービス名の「53」は、DNSが通常使用するネットワークポート番号「Port 53」に由来しています)。

具体例

Amazon Route 53の役割は、携帯電話の「アドレス帳」や、お店の「道案内・交通整理係」に例えることができます。

  • ドメイン名前解決(アドレス帳): あなたが友人の「佐藤さん」に電話をかける際、佐藤さんの11桁の電話番号を覚えて入力する代わりに、アドレス帳から「佐藤さん(ドメイン名)」の名前を選んで発信します。スマートフォンのアドレス帳(Route 53)が、裏で電話番号(IPアドレス)に変換して電話を繋いでくれます。
  • ルーティングポリシー(道案内・交通整理): Route 53は、単に番号を調べるだけでなく、アクセスの誘導方法(ルーティング)を賢くコントロールできます。
    • 地理的近接性ルーティング: 日本からのアクセスは東京のサーバー(EC2)へ、アメリカからのアクセスはニューヨークのサーバーへ自動的に道案内し、世界中のユーザーが最も速くページを閲覧できるようにします。
    • フェイルオーバー(障害迂回): メインのWebサーバー(東京)がダウンしたことをヘルスチェックで検知すると、自動的に「現在、東京のサーバーは故障中なので、大阪にある予備サーバーへ進んでください」とアクセスを迂回させ、ホームページが表示されなくなるトラブルを防ぎます。

もう少し詳しく

Route 53が優れているのは、グローバルな可用性と、多彩な「ルーティングポリシー」を組み合わせてトラフィックを細かく制御できる点にあります。代表的なルーティングポリシーは以下の通りです。
1. シンプルルーティング: ドメイン名に対して特定の1つのIPアドレス(またはロードバランサーのURL)を返す標準的なルーティングです。
2. 加重(ウェイト)ルーティング: 複数のサーバーに対して、「70%のアクセスはサーバーAへ、30%はサーバーBへ」といった割合でトラフィックを配分します。新バージョンのテスト(カナリアリリース)などに使用します。
3. レイテンシールーティング: ユーザーに対して最もネットワーク遅延(レイテンシー)の少ないAWSリージョンのサーバーへとルーティングします。グローバル展開するサービスで威力を発揮します。
4. 位置情報ルーティング: ユーザーがアクセスしている「国」や「大陸」を判別し、日本語のユーザーには日本語のサーバー、英語のユーザーには英語のサーバーへと表示言語を切り替えるようなルーティングが可能です。
5. 障害対策(フェイルオーバー)ルーティング: ヘルスチェック機能と連動し、メインの接続先が稼働していない場合に、自動的にセカンダリ(予備)の接続先(S3の静的Webサイトなど)へ切り替えます。
Route 53は、AWSが提供するすべてのサービスの中で唯一「100%の可用性」のサービスレベルアグリーメント(SLA)を掲げている、最も信頼性の高いサービスです。

試験でのポイント

CLF-C02試験において、Route 53は「DNS」「ドメインの登録と管理」「ヘルスチェック」「トラフィックのルーティング」といったテーマで出題されます。

  • Route 53の3つの主要機能: ドメイン名の登録(購入)、ドメイン名からIPアドレスへの変換(DNS解決)、リソースの稼働状況を確認する「ヘルスチェック」の3つを役割として明確に記憶してください。
  • フェイルオーバー(ディザスタリカバリ): メインシステム障害時にヘルスチェックによって別リージョンのバックアップ環境やS3静的ページにアクセスを自動転送する仕組みが、耐障害性の文脈で問われます。
  • ルーティングポリシーの用途: 「最も遅延の少ないサーバーへアクセスさせたい(レイテンシールーティング)」「複数のインスタンスに割合を指定してアクセスを分けたい(加重ルーティング)」といったユースケースとポリシー名の組み合わせが問われます。

関連する用語

トラフィックの最終的な振り分け先となる「Elastic Load Balancing (ELB)」、VPC内のプライベートなサーバーである「Amazon EC2」、Route 53のヘルスチェック連携先やバックアップとしてよく使われる「Amazon S3」、およびRoute 53のサービス名称の元となった「Port 53」が重要な関連用語です。

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