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概要
2026年7月16日、Oracle Linux 10のRed Hat Compatible Kernel、通称RHCKを対象とするセキュリティ更新
ELSA-2026-25191が公開されました。Oracleによる重要度はCriticalです。更新には、ネットワークボンディング、EROFS、SocketCAN、USBオーディオ、IPv6、SELinuxとOverlayFSに関係する7件のCVEが含まれています。
7件の中には、kernel.orgのCVSS評価が9.8となっているIPv6関連の脆弱性もあります。
ただし、次のように判断してはいけません。
ELSAがCritical ↓ Oracle Linuxを使う全サーバーが 7件すべての攻撃を受ける実際の影響は、次の条件で大きく変わります。
- UEKとRHCKのどちらで起動しているか
- ネットワークボンディングを使用しているか
- EROFSをマウントしているか
- CANサブシステムを使用しているか
-
snd_usb_6fireドライバーを使用しているか - IPv6トンネルやRPLヘッダーを処理するか
- SELinuxとOverlayFSを組み合わせているか
- 修正版カーネルで実際に起動しているか
本記事では、7件の仕組みと成立条件を整理し、UEKで運用しているkurutann.comにとって何を確認すべきか、実務で使えるコマンドとともに解説します。
結論・要点
最初に結論をまとめます。
項目 内容 アドバイザリ ELSA-2026-25191 対象 Oracle Linux 10のRHCK Oracle重要度 Critical 公開日 2026年7月16日 Related CVEs 7件 修正RHCK 6.12.0-211.34.1.el10_2系列 kurutann.com 記事記載の実機ではUEKで起動 RHCKへの直接影響 実行中カーネルがUEKなら直接の実行環境ではない 注意点 同じ上流CVEがUEKにも存在する場合がある 恒久対策 利用中のカーネル系列を最新の修正版へ更新 再起動 通常のRPM更新では原則必要 WAF 原則として根本対策にならない IPS・EDR 一部の攻撃や異常を補助検知できるが更新の代替にはならない Oracle Linux 10のx86_64版では、UEKとRHCKが提供され、UEKが既定のカーネルです。したがって、Oracle Linuxを使用しているという情報だけでは影響を判断できません。
この記事で分かること
この記事では次の内容を解説します。
- RHCKとUEKの違い
- ELSA-2026-25191に含まれる7件のCVE
- 各CVEで何が壊れるのか
- どの機能を使うと攻撃経路が成立するか
- CVSS評価が情報源ごとに異なる理由
- UEK環境が本当に影響を受けないか確認する方法
- RHCKがインストールされている場合の注意点
- カーネルの更新方法
- 再起動後の動作確認
- WAF、IPS、EDRによる補助対策
- 脆弱性判定の証跡を残す方法
対象読者・前提環境
対象読者は次のとおりです。
- Oracle Linux 10を使用している人
- UEKまたはRHCKを運用している人
- Linuxカーネルの大量CVEを仕分けたい人
- DockerやPodmanを使用している人
- IPv6を有効にしている人
- 脆弱性スキャナーでELSA-2026-25191を検出された人
- 実行中カーネルとインストール済みカーネルを区別したい人
コマンドは、調査対象のOracle Linuxサーバー上で実行します。
RHCKとUEKとは
RHCKとは
RHCKはRed Hat Compatible Kernelの略です。
簡単にたとえると、Red Hat Enterprise Linuxとの互換性を重視したOracle Linux向けカーネルです。
パッケージ名は主に次の形式です。
kernel kernel-core kernel-modulesバージョン文字列には通常、
uekが含まれません。6.12.0-211.34.1.el10_2.x86_64UEKとは
UEKはUnbreakable Enterprise Kernelの略です。
Oracleが提供する、性能、スケーラビリティ、Oracle製品との連携などを強化したカーネルです。
パッケージ名は次です。
kernel-uek実行中カーネルの文字列には、通常
uekが含まれます。6.12.0-xxx.el10uek.x86_64Oracle Linux 10のx86_64版ではUEKが既定です。aarch64版ではRHCKは提供されません。
ELSA-2026-25191とは
ELSA-2026-25191は、Oracle Linux 10のRHCK向けカーネルセキュリティ更新です。Oracleは重要度をCriticalとし、
Related CVEs欄に次の7件を掲載しています。- CVE-2026-31419
- CVE-2026-31467
- CVE-2026-31532
- CVE-2026-31581
- CVE-2026-43037
- CVE-2026-43501
- CVE-2026-46054
これらは、同じ原因から派生した7件ではありません。
カーネルという一つのRPMに、複数サブシステムの修正が累積して含まれているため、同じアドバイザリへまとめられています。
RHCKカーネル更新 ├─ bonding ├─ EROFS ├─ SocketCAN ├─ USBオーディオ ├─ IPv6トンネル ├─ IPv6 RPL └─ SELinux・OverlayFS
7件のCVE一覧
| CVE | 対象 | 主な問題 | kernel.org系CVSS | Oracle評価 |
|---|---|---|---:|---CVSS | Oracle評価 |
|---|---|---|---:|---:|
| CVE-2026-31419 | bonding | Use-After-Free | 7.8 | 7.8 |
| CVE-2026-31467 | EROFS | I/Oデッドロック | 7.5 | 5.5 |
| CVE-2026-31532 | SocketCAN RAW | Use-After-Free | 7.8 | 7.1 |
| CVE-2026-31581 | ALSA 6fire | 切断時Use-After-Free | 7.8 | 6.3 |
| CVE-2026-43037 | IPv6トンネル | 型の取り違えによる境界外書き込み | 9.8 | 8.1 |
| CVE-2026-43501 | IPv6 RPL | headroom不足による境界外書き込み | 9.8 | 7.5 |
| CVE-2026-46054 | SELinux・OverlayFS | mmap・mprotectの権限確認不足 | 7.1 | 7.0 |CVSS評価は、攻撃経路、必要権限、攻撃複雑性などの解釈によって異なります。特にCVE-2026-43037とCVE-2026-43501は、kernelh2turn371073search3turn891275search2
CVE-2026-31419:ネットワークボンディングのUse-After-Free
何が起きるのか
Linuxのボンディング機能は、複数のネットワークインターフェースを一つにまとめる機能です。
bond_xmit_broadcast()は、複数の配下インターフェースへ同じパケットを送信します。修正前は、RCUで配下インターフェースを走査している途中に、別の処理がインターフェースを追加または解除すると、「最後のインターフェース」の判定が途中で変化する可能性がありました。
その結果、同じ元の`。citeturn531359view0turn631238view0
送信するskb │ ├─ インターフェースAへclone ├─ インターフェースBへclone └─ 最後だけ元のskbを使用 │ 配下一覧が途中で変化 ↓ 「最後」の判定が重複 ↓ 同じskbを二重解放成立条件
主な対象候補は次の環境です。
- Linux bondingを使用
- broadcast送信経路を使用
- 配下インターフェースの追加・解除と送信が競合
- 未修正カーネル
通常の単一NIC構成では、該当するボンディング送信経路は使用しません。
CVE-2026-31467:EROFSのI/Oデッドロック
何が起きるのか
EROFSは、読み取り専用のイメージファイルシステムです。
組イメージなどにも利用できます。citeturn587943search1
問題は、EROFSのbio完了処理から展開処理を呼び出し、その中で
vm_map_ram()がGFP_KERNELによるメモリー確保を行う点にありました。メモリー不足時にスワップI/Oが発生すると、すでにI/O完了を待っている処理の中から、さらに。citeturn531359view1turn221835view0
EROFS読み込み ↓ bio完了処理 ↓ データ展開 ↓ メモリー不足 ↓ スワップI/Oを要求 ↓ 既存I/Oの完了待ちと循環 ↓ デッドロック・サービス停止主な影響
- ファイル読み込みの停止
- ストレージ処理の停止
- システムのハング
- 可CVSS 5.5と評価しています。citeturn531359view1
CVE-2026-31532:SocketCAN RAWのUse-After-Free
何が起きるのか
LinuxのSocketCANは、CANバスをネットワークソケットと同じように扱う仕組みです。
raw_release()がCAN受信フィルターを解除した後も、RCUの遅延処理によってraw_rcv()が動作し続ける時間があります。しかし、
ro->uniqというper-CPU領域が先citeturn531359view2turn371073search1物理CAN機器は必須ではない
Linuxには
vcanという仮想CANデバイスがあります。`vcanANフレームを送受信できます。citeturn587943search7
したがって、次の判断はできません。
CAN機器を接続していない ↓ 必ず影響なし確認すべきなのは次の点です。
- CANカーネル機能が有効か
-
can_rawが読み込まれているか -
vcanを含むCANインターフェースが存在するか - アプリケーションがCAN RAWソケットを使用するか
CVE-2026-31581:ALSA 6fireドライバーの切断時Use-After-Free
何が起きるのか
この脆弱性は、ALSAの
6fireUSBオーディオドライバーにあります。USBデバイスの切断処理で、
snd_card_free_when_closed()がカードと、その内部にあるchip構造体を同期的に解放する場合があります。その後で`chip->card =citeturn531359view3turn891275search1
成立条件
-
snd_usb_6fireドライバーを使用 - 対応USBオーディオ機器を使用
- デバイスの切断処理が発生
- 未修正カーネル
一般的なVPSでは、物理USBデバイスがゲストOSへ公開されていない場合が多く、攻撃経路は限定的です。
ただし、USBパススルーを使用する仮想マシンやデスクトップLinuxでは確認が必要です。
CVE-2026-43037:IPv6トンネル処理の境界外書き込み
何が起きるのか
ip4ip6_err()は、IPv6受信処理で使用されたskbを複製し、IPv4 ICMP処理へ渡します。問題は、
skb->cb[]に残っていたIPv6用の管理情報を、IPv4用の構造体として解釈した点です。IPv6とIPv4では同じ領域のレイアウトが異なります。
その結果、攻撃者が制御できる値を長さとして読み取り、citeturn531359view4turn371073search2
IPv6受信時の管理情報 ↓ 初期化せずIPv4 ICMP処理へ渡す ↓ 異なる構造体として解釈 ↓ 攻撃者制御値をコピー長に使用 ↓ 40バイトのスタック領域を超えて書き込みCVSSの評価差
kernel.orgは9.8と評価しています。
一方、Oracleは攻撃複雑性をHighとciteturn371073search2turn531359view4
記事では次のように表現するのが安全です。
ネットワーク経由で成立する可能性がある重大な境界外書き込みです。ただし、IPv6トンネルとエラー生成経路などの前提条件があるため、公開されたIPv6アドレスへ任意のパケットを送るだけで、すべてのLinuxサーバーを直ちに侵害できるとは限りません。
CVE-2026-43501:IPv6 RPLヘッダー再圧縮の境界外書き込み
何が起きるのか
RPLは、主に低消費電力ネットワーク向けのIPv6ルーティング技術です。
ipv6_rpl_srh_rcv()は、受信したRPL Source Routing Headerを展開し、次の宛先へ書き換えた後、再圧縮します。再圧縮後のヘッダーが受信時より大きくなる場合、必要なheadroomを確保しないまま
skb_push()を行う可能性がありました。その後のMACヘッダー再構築で16ビット値がラップし、`skbciteturn729168view0turn371073search3
RPLヘッダー受信 ↓ 展開 ↓ 宛先アドレスを書き換え ↓ 再圧縮後の方が大きくなる ↓ headroom不足 ↓ mac_header値がラップ ↓ 大きく離れた位置へ境界外書き込み攻撃経路の評価差
kernel.orgはネットワーク到達可能、CVSS 9.8と評価しています。
Oracle・Red Hciteturn371073search3turn729168view0
したがって、単純に「IPv6が有効ならインターネットから未認証RCE」と表現してはいけません。
CVE-2026-46054:SELinuxとOverlayFSの権限確認不足
何が起きるのか
OverlayFSは、上位層と下位層を重ねて一つのファイルシステムとして見せる機能です。
Dockerなどのコンテナ環境でも広く使われます。
SELinuxでは、OverlayFS上のファイルへアクセスする場合、次の両方を確認する必要があります。
- 利用者が上位側のファイルへアクセスできるか
- マウント実行者の資格情報で下位側ファイルへアクセスできるか
修正前は、
mmap()とmprotect()について、下位側のbacciteturn729168view1turn891275search2コンテナなどから見える上位ファイル + 実際の内容を持つ下位ファイル ↓ 本来は両方へSELinuxチェック ↓ mmap・mprotectで下位側チェックが不足 ↓ 本来禁止されるメモリー保護操作の可能性UEKに関する注意
OracleのCVEページで確認できる修正情報は、確認時点ではRHCKアドバイザリは掲載されていません。citeturn729168view1
このため、次のいずれかを推測で断定してはいけません。
- UEKも脆弱である
- UEKは影響を受けない
- ELSA-2026-500004で必ず修正された
UEK環境では、Oracleの更新情報、インストール済みパッケージ、必要に応じてOracle Supportの回答を根拠に判定します。
kurutann.comに関係するか
記事に記載された実機情報では、kurutann.comはUEKで起動しています。
実行中カーネルがUEKであれば、RHCK向けの
ELSA-2026-25191は、現在動いているカーネルへ直接適用される更新ではありません。ただし、次の点を分けて考えます。
RHCK向けアドバイザリ ↓ 実行中UEKには直接適用されない 同じ上流Linux CVE ↓ UEKにもコードが存在する可能性がある ↓ UEK側のアドバイザリを別途確認OracleのCVE情報では、今回の7件のうち6件について、UEK向け`ELSA-209view3turn531359view4turn729168view0
そのため、kurutann.comの判定は次のように書くのが正確です。
kurutann.comはUEKで起動しているため、RHCK向けELSA-2026-25191は現在の実行中カーネルへ直接適用される更新ではありません。一方、7件のうち複数はUEKにも修正が提供されています。UEKを最新の修正済みパッケージへ更新し、再起動後に実行中カーネルを確認することで対応状況を管理しています。
「RHCKだから無関係」だけで終わらせず、UEK側にも同じ修正が提供されているかを確認することが重要です。
確認方法1:実行中カーネルを確認する
目的
現在UEKとRHCKのどちらで動作しているか確認します。
実行場所
調査対象のOracle Linuxサーバーです。
コマンド
uname -rUEKの例
6.12.0-xxx.el10uek.x86_64RHCKの例
6.12.0-211.34.1.el10_2.x86_64判断方法
出力に
uekが含まれていれば、現在はUEKで起動しています。含まれていなければ、RHCKである可能性があります。
確認方法2:インストール済みカーネルを確認する
目的
実行していないRHCKやUEKがディスク上に残っていないか確認します。
rpm -q kernel kernel-core kernel-uek出力例
kernel-6.12.0-211.34.1.el10_2.x86_64 kernel-core-6.12.0-211.34.1.el10_2.x86_64 kernel-uek-6.12.0-xxx.el10uek.x86_64UEKで起動していても、RHCKがインストールされている場合があります。
RHCKをフォールバック用に残す場合は、RHCK側の更新も継続してください。
確認方法3:GRUBの既定カーネルを確認する
目的
次回再起動時に、どのカーネルが選ばれるか確認します。
sudo grubby --default-kernelインストール済みの起動エントリーを確認します。
sudo grubby --info ALLOracleは`grubり替える方法を案内しています。citeturn939084search0
判断方法
現在はUEKでも、既定カーネルがRHCKになっている場合、再起動後にRHCKへ切り替わる可能性があります。
確認方法4:7件に関係する機能を確認する
bonding
ip -d link show type bond lsmod | grep '^bonding'出力がなければ、ボンディングを使用していない可能性があります。
EROFS
findmnt -t erofs grep -w erofs /proc/filesystems/proc/filesystemsへの表示だけでは、現在マウントしているとは限りません。最終判断にはfindmntを使用します。SocketCAN
lsmod | grep -E '^(can|can_raw|vcan)' ip -details link show | grep -E '(^[0-9]+:|can |vcan)'物理CAN機器がなくても、
vcanが存在する場合があります。ALSA 6fire
lsmod | grep snd_usb_6fireIPv6トンネル
ip -6 tunnel show lsmod | grep -E 'ip6_tunnel|sit'OverlayFSとSELinux
findmnt -t overlay getenforceDockerを使用している場合、OverlayFSが表示される可能性があります。
機能が使われていることは「脆弱である」という意味ではありません。カーネルの修正状態と組み合わせて判断します。
対処方法
RHCKを使用している場合
更新情報を確認します。
sudo dnf updateinfo info \ --advisory ELSA-2026-25191更新を適用します。
sudo dnf upgrade \ --advisory ELSA-2026-25191UEKを使用している場合
UEK向けのセキュリティ情報を確認します。
sudo dnf updateinfo info \ --advisory ELSA-2026-50319 sudo dnf updateinfo info \ --advisory ELSA-2026-50372古いアドバイザリのパッケージへ固定するのではなく、現在利用可能な最新のUEKセキュリティ更新を適用します。
sudo dnf upgrade 'kernel-uek*'または、OS全体のセキュリティ更新を適用します。
sudo dnf upgrade --security
更新前の注意事項
カーネル更新前に、次を準備してください。
- VPSスナップショット
- PostgreSQLなどのデータバックアップ
- Dockerボリュームのバックアップ
- プロバイダーの管理コンソール
- SSH以外の復旧手段
- 旧カーネルがGRUBに残っていること
- メンテナンス時間
- 再起動後の監視手順
カーネルのアンインストールや既定カーネル変更は、起動不能につながる可能性があります。
旧カーネルを削除する前に、新しいカーネルで正常起動できることを確認してください。
再起動と動作確認
再起動
sudo systemctl reboot通常のカーネルRPM更新では、再起動するまで古いカーネルが動き続けます。
実行中カーネルの確認
uname -r既定カーネルの確認
sudo grubby --default-kernel失敗サービスの確認
sudo systemctl --failed正常例です。
0 loaded units listed.カーネルログの確認
sudo journalctl -b -p warning確認項目は次のとおりです。
- kernel panic
- Use-After-Free
- general protection fault
- slab corruption
- ネットワークインターフェースの起動失敗
- Dockerの起動失敗
- SELinux拒否の急増
コンテナ確認
docker ps docker compose psWebサイト確認
curl -I https://kurutann.com/構成に応じて、想定した
200、301、302などが返ることを確認します。
WAF・IPS・EDRによる補助対策
WAF
一般的なWeb向けWAFは、今回の7件に対する根本対策にはなりません。
問題はLinuxカーネル内部のネットワーク、ファイルシステム、ドライバー、アクセス制御処理にあります。
IPS
CVE-2026-43037やCVE-2026-43501のようなネットワーク入力に関係する問題では、対応シグネチャがあれば補助検知できる可能性があります。
ただし、トンネル処理、断片化、拡張ヘッダーなどの条件によって検知が難しくなる可能性があります。
EDR
次の異常は監視対象になります。
- カーネルクラッシュ
- 不審なネットワーク名前空間操作
- CANインターフェースの予期しない作成
- USBデバイスの不自然な切断処理
- SELinux拒否の急増
-
コンテナからの異常な
mmap・mprotect - bonding構成の予期しない変更
ただし、カーネル権限を奪われるとEDR自体を回避される可能性があります。
最優先対策はカーネル更新です。
悪用状況
2026年7月27日時点で確認したOracleおよびNVDの公開情報からは、今回の7件すべてについて、実環境での大規模な悪用を裏付ける情報は確認できませんでした。
これは、悪用されていないことを証明するものではありません。
特に境界外書き込みやUse-After-Freeは、DoSだけでなく権限昇格やコード実行へ発展する可能性がありまh2turn371073search3turn891275search2
再発防止
UEKとRHCKを資産台帳で区別する
項目 記録例 OS Oracle Linux 10 CPU x86_64 実行中カーネル UEK 既定起動カーネル UEK RHCKインストール あり・なし 最終カーネル更新 YYYY-MM-DD 最終再起動 YYYY-MM-DD Ksplice 使用・未使用 非該当判定に再評価条件を付ける
判定:現在は直接影響なし 理由:UEKで起動しておりRHCKは非稼働 証跡:uname -r、grubby --default-kernel 再評価条件: ・起動カーネル変更 ・RHCKへの切り替え ・OracleのUEK製品状態更新機能ベースで確認する
カーネルCVEは、パッケージの有無だけでなく機能の利用状態を確認します。
パッケージ + 実行中カーネル + カーネル設定 + モジュール + 実際のインターフェース・マウント + 攻撃者の到達経路
注意点・よくある誤解
UEKならRHCKのCVEはすべて無関係ですか
いいえ。
RHCK向けアドバイザリはUEKへ直接適用されませんが、同じ上流LinuxコードがUEKにも含まれる場合があります。
UEK側のOracle CVE情報とアドバイザリを確認してください。
ELSA-2026-500004を適用すれば今回の7件も対応済みですか
アドバイザリ番号だけでは証明できません。
後発のUEKパッケージは過去の修正を累積して含む可能性がありますが、実行中パッケージとCVEごとの修正情報を照合してください。
CAN機器がないのでCVE-2026-31532は無関係ですか
物理CAN機器がなくても
vcanを利用できます。CANモジュール、仮想CANインターフェース、CANアプリケーションの有無を確認します。
IPv6が有効ならCVE-2026-43037とCVE-2026-43501が攻撃可能ですか
IPv6が有効なだけでは、成立を証明できません。
IPv6トンネル、RPLヘッダー処理、ネットワーク到達性、カーネル修正状態を確認します。
RHCKを使っていなければ更新不要ですか
RHCKをフォールバック用に残す場合は更新を継続してください。
将来RHCKへ切り替わった際に、古い脆弱なカーネルで起動する可能性があります。
まとめ
ELSA-2026-25191は、Oracle Linux 10のRHCK向けCriticalカーネル更新です。7件のCVEは、それぞれ異なる条件で成立します。
CVE-2026-31419 └─ bondingの競合 CVE-2026-31467 └─ EROFSとメモリー不足時のI/O CVE-2026-31532 └─ CAN RAWソケット CVE-2026-31581 └─ 6fire USBドライバー CVE-2026-43037 └─ IPv6トンネルのエラー処理 CVE-2026-43501 └─ IPv6 RPLヘッダー処理 CVE-2026-46054 └─ SELinuxとOverlayFSkurutann.comがUEKで起動している場合、RHCK向け
ELSA-2026-25191は現在の実行中カーネルへ直接適用される更新ではありません。しかし、同じ上流CVEの多くはUEKにも修正が提供されています。
したがって、正しい結論は次のとおりです。
RHCKで起動していない ↓ ELSA-2026-25191は直接の実行環境ではない ただし ↓ 同じCVEがUEKにも存在する可能性がある ↓ UEK側の修正状況を確認 ↓ 最新UEKへ更新 ↓ 再起動後にuname -rで確認CVEの影響判定と、セキュリティ更新の適用判断は分けて管理してください。
FAQ
ELSA-2026-25191は何を更新しますか
Oracle Linux 10のRHCKである`kernelよる重要度はCriticalです。citeturn758842view1
UEKとRHCKの両方がインストールされている場合はどうしますか
uname -rで現在の実行中カーネルを確認し、grubby --default-kernelで次回起動時の既定カーネルを確認します。フォールバック用カーネルも含め、両系列を修正済みに保つのが安全です。
バージョン番号をブログへ公開しない方が安全ですか
完全なバージョンを公開しない運用は可能ですが、バージョン秘匿は根本対策ではありません。
内部では、実行中カーネル、インストール済みパッケージ、更新履歴、再起動結果を必ず保存してください。
Kspliceを使えば再起動は不要ですか
Kspliceを使えば再起動は不要ですか
Kspliceを使用すると、対応しているセキュリティ修正を、サーバーを再起動せずに実行中のカーネルへ適用できる場合があります。
ただし、Kspliceによるライブパッチだけで対応を終えてはいけません。
ディスク上にインストールされているカーネルパッケージが古いままだと、将来サーバーを再起動した際に、修正前のカーネルで起動する可能性があります。
そのため、次の両方を実施します。
実行中のカーネル └─ Kspliceでライブパッチを適用 ディスク上のカーネル └─ dnfで修正版パッケージへ更新UEKを使用している場合は、利用可能な修正版へ更新します。
sudo dnf upgrade 'kernel-uek*'更新後は、インストール済みカーネルと既定の起動カーネルを確認します。
rpm -q kernel-uek sudo grubby --default-kernel sudo grubby --info ALL次回の計画再起動後には、実行中カーネルも確認します。
uname -rKspliceは再起動を延期できる仕組みですが、ディスク上のカーネル更新や将来の再起動を不要にする仕組みではありません。
一次資料リンク
- Oracle Linux Security Advisory:ELSA-2026-25191
Oracle Linux 10のRHCKを対象としたカーネルセキュリティ更新です。 -
Oracle Linux Security Advisory:ELSA-2026-50372
UEK向けに提供されたカーネルセキュリティ更新です。 -
Oracle Linux Security Advisory:ELSA-2026-50319
UEK向けに提供されたカーネルセキュリティ更新です。 -
Oracle Linuxドキュメント:UEKとRHCKのカーネル構成
Oracle Linuxで提供されるカーネル系列と、既定カーネルの違いを確認できます。 -
Oracle Linuxドキュメント:
grubbyによるカーネル管理
インストール済みの起動エントリー、既定カーネル、次回起動するカーネルの確認方法を説明しています。 -
Linux Kernel公式ドキュメント:SocketCAN
CANソケット、CAN RAW、仮想CANインターフェースであるvcanの仕組みを確認できます。 -
Linux Kernel公式ドキュメント:EROFS
EROFSの用途とファイルシステムの仕組みを確認できます。
【ELSA-2026-25191】Oracle Linux RHCKの7件CVEを詳しく解説―UEK運用でも無関係と決めつけない確認方法
目次
読んだ内容を10問練習と実技で確認
記事で理解した用語を、StudyQuestの演習とクラウド実技ラボで定着させます。
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