BCPの解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

目次

BCPとは

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、大規模な災害(地震、火災など)や深刻なシステム障害、感染症の流行といった不測の事態が発生した際に、企業が重要業務を中断させない、あるいは中断しても許容範囲内の短期間で再開できるようにするための具体的な計画案のことです。

万が一の事態が起きた場合、あらかじめ計画がないと混乱が生じ、操業停止が長引いて顧客を失ったり、破産に追い込まれたりするリスクがあります。そのため、緊急時の指揮命令系統や、代替となる作業場所、バックアップからのシステム復旧手順などを事前に文書化しておきます。これにより企業の社会的信用を守ることができます。また、計画の中では、どの業務を最も優先して復旧させるか(優先業務の選定)や、いつまでに復旧させるか(目標復旧時間:RTO)といった具体的な数値を定めておくことが実効性を高める鍵となります。

具体例

【BCPの主な構成要素】
・オフィスの被災時に、社員が自宅からリモートワークで基幹システムに接続する手順
・データセンターの二重化による、10分以内でのバックアップシステムへの切り替え手順

もう少し詳しく

BCPを構築する第一歩は、組織が抱えるあらゆるビジネスプロセスを分析し、最も重要な「中核事業」を特定する「ビジネス影響分析(BIA:Business Impact Analysis)」と呼ばれるステップです。この分析の中で、すべてのシステムや業務プロセスについて、以下の2つの指標を定義します。 1. 「RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)」: 災害発生後、業務をいつまでに復旧させるかという時間の限界値です(例:決済システムは24時間以内に復旧など)。 2. 「RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)」: データをどの過去の時点まで戻せば事業を継続できるかという指標です(例:データの損失は最大で「前日のバックアップ時点」まで許容する、あるいは金融機関のように「1秒の損失も許さない」など)。 BCPはこれらの数値目標をクリアするために、代替となるサプライチェーンの確保や、遠隔地へのシステムデータの同期(ディザスタリカバリ)など、具体的な実行プロセスを計画書として組み立てます。昨今では、大規模なサイバー攻撃(ランサムウェアなど)による全社システムの停止も、BCP発動の重大な対象として想定されています。

試験でのポイント

情報処理技術者試験では、BCPの策定手順とその中身に関する専門用語の定義が非常によく問われます。特に「BIA(ビジネス影響分析)により中核事業と重要システムを特定するプロセス」や、「RTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)の定義の引っ掛け問題」には注意が必要です。図や表を用いて、RTO(横軸の時間経過の中でいつ復旧するか)とRPO(過去のどのデータポイントまで遡ってデータを復旧するか)を整理して理解しておきましょう。また、BCPを単に作成するだけでなく、それを組織的に維持改善する仕組みである「BCM(事業継続マネジメント)」との関係性についても出題されます。

関連する用語

関連用語としては、業務の中断による損失や優先順位を評価する「BIA(ビジネス影響分析)」、いつまでに復旧するかを示す「RTO」、どの時点のデータまで復元するかを示す「RPO」、そして災害からITシステムを復旧させる技術的な仕組み「DR(ディザスタリカバリ)」などがあります。

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