不正アクセス禁止法の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

目次

不正アクセス禁止法とは

不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)とは、他人のIDやパスワードを盗み用いて勝手にネットワークにログインしたり、システムの隙(脆弱性)を突いて制限されたデータにアクセスしたりする行為を処罰する日本の法律です。

この法律では、許可なく他人のアカウントにログインする「不正アクセス行為」そのものを禁止するだけでなく、他人のパスワードを無断で第三者に提供する行為(パスワードの売買など)や、他人のID・パスワードを不正に入手する行為も厳しく禁止し、処罰の対象としています。個人ユーザーも被害者・加害者になり得るため、日頃からの適切なパスワード管理が不可欠です。さらに、この法律では、サービスを提供する側(システム管理者)に対しても、パスワードの適切な管理やセキュリティホールの修正など、不正アクセスを防ぐための防御措置をとる努力義務を課しています。

具体例

【禁止行為の具体例】
・元同僚のIDとパスワードを使い、退職後に会社の社内システムに自宅からログインする行為
・知人のSNSアカウントのパスワードを推測して勝手にログインし、メッセージを盗み見る行為

もう少し詳しく

不正アクセス禁止法が定める禁止行為は、大きく分けて以下の5つに分類されます。 1. 「不正アクセス行為」: 他人のID・パスワードを勝手に入力して制限された機能を利用すること(なりすまし行為)や、セキュリティホールを突いて他人のコンピュータへ侵入する行為(セキュリティホール攻撃型行為)です。 2. 「不正取得行為」: 不正アクセスを行う目的で、他人の認証情報(ID・パスワード)を取得する行為です。 3. 「不正助長行為」: 他人のID・パスワードを無断で第三者に教えたり、Web上に公開して売買したりする行為です。 4. 「不正保管行為」: 不正アクセスを行う目的で、不正に入手された他人のID・パスワードを保管・所持する行為です。 5. 「入力要求行為(フィッシング)」: 他人のID・パスワードをだまし取るために、本物のサイトに酷似した偽のWebサイトを作り、入力を要求する行為です。 このように、実際にサーバーに侵入していなくても、パスワードを盗み出したり、フィッシング詐欺サイトを作って情報を集めたりする段階で、犯罪として取り締まりの対象となります。

試験でのポイント

試験では、どの行為が「不正アクセス禁止法」の処罰対象になるか、あるいはならないかという判別問題が頻出します。特に重要なポイントは、「不正アクセス禁止法は、電気通信回線(インターネットやLANなど)を経由したアクセスを規制する法律である」という点です。したがって、「他人の席にあるPCを直接操作して勝手に覗き見る行為」は物理的な盗み見であり、本法の処罰対象(ネットワーク経由の不正アクセス)には該当しません(※ただし他の法律や社内規定には違反します)。また、「フィッシングサイトを開設してID・パスワードを詐取する行為(入力要求行為)」や「他人のパスワードを誰かに教える行為(不正助長行為)」が明確に禁止されている点もよく問われます。

関連する用語

関連用語としては、偽メールや偽サイトでパスワードを盗み出す「フィッシング」、システムの欠陥を悪用する「脆弱性(セキュリティホール)」、ネットワークを介して他人のPCになりすます「なりすまし」、そして本法でシステム管理者に求められている「防御措置の努力義務」などがあります。

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