サイバーセキュリティ基本法の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

目次

サイバーセキュリティ基本法とは

サイバーセキュリティ基本法とは、日本国全体のサイバーセキュリティに関する基本理念を定め、国や地方自治体、重要インフラ事業者などが果たすべき責務や方針を明確にした法律です。

インターネットの普及により、サイバー攻撃が国の安全保障や国民の生活に重大な影響を及ぼすようになったため、国が一丸となって防衛力を高めるための「指針」として制定されました。この法律に基づき、国全体のセキュリティ施策を推進する中核組織として「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)」などが設置され、民間企業とも連携しながら安全なデジタル社会の実現を目指しています。また、IT人材の育成や教育の振興などもこの法律で定められています。

具体例

・電力、鉄道、金融などの「重要インフラ事業者」に対して、サイバー攻撃に備えるための安全基準の策定や共同訓練の実施を促す
・国が主導して、サイバーセキュリティ分野の専門人材を育成する教育プログラムを提供する

もう少し詳しく

サイバーセキュリティ基本法は、日本政府のセキュリティ戦略の「憲法」のような役割を持っています。この法律の大きな意義は、国(政府機関)、地方公共団体、重要インフラ事業者(電力、ガス、鉄道、通信、金融など国民生活に直結する分野)、サイバーセキュリティ関連事業者、および教育・研究機関など、社会の各主体が「どのような責務を持ち、どう連携すべきか」を体系化した点にあります。特に重要インフラ事業者に対しては、サービスの安定供給を維持するために、自主的なセキュリティレベルの向上や国への情報提供などが責務として位置づけられています。また、この法律の規定に基づき、内閣に「サイバーセキュリティ戦略本部」が設置され、日本のセキュリティに関する中長期的な基本計画である「サイバーセキュリティ戦略」を閣議決定して実行する体制が作られました。単に犯罪を取り締まるだけでなく、技術開発の推進やセキュリティ人材の裾野を広げるための教育振興、さらには国際連携を通じたサイバー空間の秩序維持を目指す包括的な内容となっています。

試験でのポイント

試験においては、サイバーセキュリティ基本法の目的や、その対象となる各主体の責務についての基本的な知識が問われます。特に、内閣官房に設置された司令塔組織である「NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)」がこの法律を法的根拠として設立され、政府機関の統一的なセキュリティ基準の作成や監査を行っている点は基本問題として重要です。また、「重要インフラ事業者」の定義や、これらの事業者がサイバーセキュリティの確保に努める努力義務・責務を負っている点を突く選択肢問題が頻出します。国全体のガバナンスとしてのサイバーセキュリティ体制を問う問題に対応できるよう整理しておきましょう。

関連する用語

関連用語としては、国のサイバーセキュリティ施策の司令塔である「NISC」、法律に基づいて設置された「サイバーセキュリティ戦略本部」、国民生活の基盤となる「重要インフラ事業者」、そして政府機関の情報システムを守るための「政府機関等情報セキュリティ対策基準」などがあります。

読んだ内容を10問練習と実技で確認

記事で理解した用語を、StudyQuestの演習とクラウド実技ラボで定着させます。

10問練習 実技ラボ