論理演算は、プログラミングにおける「条件分岐(if文)」だけでなく、コンピュータを構成する電子回路のレベル(ハードウェア)においても極めて重要な役割を果たしています。CPUの内部には、「論理回路(ロジックゲート)」と呼ばれる微小な電子部品が無数に組み込まれており、これらが物理的にANDやOR、NOTの動作を行っています。
この論理演算の組み合わせだけで、実は驚くべきことに、通常の四則演算(足し算や引き算など)を含めたあらゆる計算を実現することができます。例えば、「XOR(排他的論理和)」は2つの入力が異なるときに1を出力しますが、これは2進数の1桁同士の足し算の「繰り上がりを無視した結果」と全く同じになります。これに「AND(両方が1のときだけ1)」を組み合わせて繰り上がりの条件を検知することで、完全な足し算を行う回路(加算器)を作ることができます。
また、ソフトウェアの分野では、ビット単位での論理演算(ビット演算)がデータの加工に頻繁に使われます。代表的なテクニックが「マスク処理」です。例えば、IPアドレスからネットワーク部分だけを抽出するサブネットマスクのように、データのある部分だけを残して他の部分をゼロにクリアしたい場合には、残したい場所に「1」、消したい場所に「0」を置いたデータを用意して、元のデータと「AND」を取ります。逆に、特定のビットだけを強制的に「1」にしたい場合は「OR」を使い、特定のビットだけを反転(0と1を入れ替え)させたい場合には「XOR」を使います。