しかし、現実の物理的な機器や複雑なソフトウェアにおいて、故障を完全にゼロにすることは不可能です。そのため、システム全体の稼働率を高めるためには、MTBFを長くして「壊れにくくする努力」に加えて、後述するMTTR(平均修復時間)を短くして「壊れてもすぐに直せる努力(保守性)」を組み合わせる必要があります。さらに、一部が故障してもシステム全体が止まらないようにする「冗長化」を施すことで、ユーザーから見た実質的なMTBFを無限大に近づけるような設計が行われます。
情報処理技術者試験では、MTBFに関する計算問題が頻出します。最も多いのは、MTBFとMTTRの値が与えられ、そこから「稼働率」を求めさせる問題です。公式である「稼働率 = MTBF / (MTBF + MTTR)」は必ず暗記しておきましょう。分母が「全運用時間(稼働時間+修理時間)」であり、分子が「正常に動いている時間」であると理屈で理解しておけば、公式を忘れても自力で導き出すことができます。
また、RASIS(システムの信頼性を評価する5つの指標)に関する出題の中で、MTBFがどの指標に該当するかを問われる問題もあります。MTBFはRASISの「R(Reliability:信頼性)」の度合いを評価するための指標であることをしっかりと紐付けて覚えておくことが重要です。引っかけ問題として、「MTBFが長いほど修復が早い」といった誤った選択肢が用意されることがありますが、修復の早さを示すのは「MTTR」である点に注意してください。
MTBFと必ずセットで登場するのが、故障からの復旧時間を示す「MTTR(平均修復時間)」です。また、システム全体の総合的な品質を評価する枠組みである「RASIS(信頼性、可用性、保守性、保全性、安全性)」の概念の中で、MTBFは「信頼性」を担保する指標として位置づけられます。