確率論における期待値は、離散型確率変数に対して「変数の値×その確率」の総和(シグマ)として数学的に定義されます。この考え方の背景には「大数の法則」があり、試行回数を無限に増やしていくと、実際の平均値は必ず期待値に収束するという性質を持っています。保険会社の保険料設定やカジノのゲームルールなど、現代社会における多くのビジネスモデルは、この大数の法則と期待値の概念を根幹にして成り立っています。また、IT分野のプロジェクトマネジメントにおいては、PERT法などの工数見積もりや、EMV(期待金額価値)分析による定量的なリスク評価に直接応用されています。
基本情報技術者試験では、計算問題として頻出します。プロジェクトの投資判断や、あるシステムの障害発生時の損失評価など、与えられた複数の選択肢の中から「確率×結果の総和」をそれぞれ計算し、最も期待値が大きい(または損失の期待値が最も小さい)選択肢を選ぶ問題が定番です。また、ゲーム理論に関する問題において、利得行列から互いの戦略の期待値を計算させる応用問題が出題されることもあります。どのような問題設定であっても、「起きるパターンの値とその確率を掛け合わせて全て足す」という基本原則を忘れないようにしましょう。
分散、大数の法則、ゲーム理論