BPR(業務プロセス再構築)は、1990年代初頭にマイケル・ハマーやジェイムス・チャンピーらによって提唱され、世界中の企業に大きな影響を与えた経営コンセプトです。BPRの最大の特徴は「根本的な見直し(Fundamental)」と「劇的な改善(Dramatic)」という点にあります。日本の企業が得意としてきた「カイゼン(改善)」は、現状の業務フローを前提とし、現場の工夫によってムダを少しずつ減らしていくボトムアップ型のアプローチです。これに対してBPRは、「そもそもこの業務は必要なのか?」「目的を達成するためには、全く違うアプローチがあるのではないか?」と、現状をすべてゼロベース(白紙)で考え直し、トップダウンで業務の構造そのものを再設計する大胆なアプローチをとります。BPRを実施する背景には、市場環境の激しい変化や競争の激化があり、小手先の改善では対応しきれないという危機感があります。BPRを成功させることで、コストの大幅な削減、処理スピードの飛躍的な向上、顧客満足度の改善といった多大なメリットが得られます。しかし、デメリットとして、大規模な組織変更や人員配置の転換を伴うことが多いため、従業員からの激しい反発や混乱を招くリスクがあり、経営トップの強い意志と丁寧なコミュニケーションが不可欠です。近年では、ERP(統合業務パッケージ)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの最新ITツールの導入を前提としてBPRが進められるケースが一般的です。