損益分岐点売上高は、以下の数式で求めることができます。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ { 1 - ( 変動費 ÷ 売上高 ) }
ここで、分母の「1 - (変動費 ÷ 売上高)」は「限界利益率」とも呼ばれます。限界利益とは、売上高から変動費だけを差し引いた利益(売上総利益に近い概念)のことで、ここから固定費を回収していきます。限界利益が固定費をちょうど全額回収できた状態が損益分岐点であり、限界利益が固定費を上回った分が企業の純粋な「利益」になります。企業は損益分岐点を下げる(=より少ない売上で黒字にする)ために、オフィスの移転やデジタル化による固定費の削減、仕入先交渉による変動費率の抑制などを図ります。
ITパスポート試験のストラテジ系(企業活動、会計・財務)において、最も高頻度で計算問題が出題される超重要テーマです。
試験対策としては、まず「変動費」と「固定費」の定義を問う問題に対応できるようにし、さらに与えられた数値から「損益分岐点売上高」や「目標利益を達成するための必要売上高」を計算できるようにしておくことが必須です。計算問題を解く際は、以下の2ステップの考え方が便利です。
1. 1個あたりの限界利益を求める(販売単価 - 1個あたりの変動費)。レモネードの例なら「100円 - 50円 = 50円」です。
2. 固定費を1個あたりの限界利益で割り、損益分岐点となる販売数量を求める。「固定費500円 ÷ 50円 = 10杯」。これに単価100円をかければ、損益分岐点売上高「1000円」が出ます。
また、現在の売上高が損益分岐点からどれだけ離れていて安全か(赤字転落リスクの低さ)を示す「安全余裕度」という指標( (現在の売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 現在の売上高 × 100 % )も出題されますので、公式を合わせてマスターしておきましょう。
損益分岐点の分析を支える用語には、売上に連動して発生する「変動費」、売上に関わらず常に発生し続ける「固定費」、売上から変動費を引いた「限界利益」、そして事業の安全性の余力を評価する「安全余裕度」があります。