確率は、不確実な状況における意思決定や予測を行うための数学的ツールです。IT分野では、大量のデータからパターンを学習する「機械学習」の基盤となっており、例えば、受信したメールが迷惑メールである確率を算出する「ベイズ統計」などに利用されています。また、システムの安全設計においては、個々の機器の故障確率(故障率)を基に、システム全体が正常に稼働し続ける確率を計算する「信頼性設計」が行われます。さらに、情報セキュリティの暗号技術においても、ハッカーが暗号を偶然解読できる確率を極限まで低くするための数理モデルとして確率論が深く関わっており、現代のIT社会の安全性と高度化を担保する上で欠かせない数学理論です。確率は、近年急速に発展しているAIや機械学習モデル(特に確率的アプローチを用いるベイジアンネットワークや生成モデル)における中心的な数学概念です。
ITパスポート試験では、確率の基本的な計算(サイコロやコインの確率)に加えて、システムの「可用性(稼働率)」を求める計算問題として確率の考え方が頻出します。例えば、2台のサーバーを並列に並べた(冗長化した)システム全体の稼働率を求める際、「少なくとも一方が動いている確率」を計算するために「1 - (両方が故障している確率)」という余事象の確率の考え方を用います。直列接続と並列接続のそれぞれの稼働率算出公式と、確率の基礎的なルールを結びつけて理解しておきましょう。「2台のサーバーが並列接続されたシステムが、少なくとも1台動いている確率」を求める計算式(1 - (1 - 稼働率) ^ 2)は超頻出問題です。
可用性、機械学習、稼働率、冗長化、信頼性設計