IT業界では、社外のエンジニアを自社に常駐させてシステム開発を行うケースが多く、この労働者派遣法のルールに抵触しないよう契約実務を徹底することが非常に強く求められます。
ITパスポート試験のストラテジ系(法務、契約・労働関連法規)における大定番テーマです。
試験対策の最大のポイントは、「派遣契約」と「請負契約」の違いを明確に区別し、指揮命令関係の有無を正しく答えられるようにすることです。
・派遣契約:雇用主は「派遣元」、指揮命令を下すのは「派遣先」となります。
・請負契約(および準委任契約):雇用主・指揮命令権ともに「受注側の企業(ベンダー)」にあります。発注元(ユーザー企業)は、常駐している受注側企業の従業員に、直接指示を出してはいけません。
この違いを悪用し、契約書上は「請負契約」としておきながら、実態は発注元の社員が常駐エンジニアに対して直接「あれをやって、これを修正して」と指示を出している状態のことを「偽装請負(ぎそううけおい)」と呼びます。偽装請負は、労働者派遣法や職業安定法に違反する違法行為です。試験問題では、「請負契約を結んで自社に作業員を常駐させ、自社の社員が直接指示を与えて作業させた。この行為は何に抵触するか」といった問題が非常によく出題されるため、「指揮命令関係が誰にあるか」に着目して偽装請負を見破れるようにしておきましょう。
労働者派遣法に関連する用語には、形は請負でありながら実質的に派遣のように働かせる違法な「偽装請負」、成果物の完成を約束して対価を得る「請負契約」、成果物の完成ではなく業務の遂行そのものを引き受ける「準委任契約」、そして正規・非正規の待遇差を解消する「同一労働同一賃金」があります。