OSPFの解説(応用情報技術者シラバス用語)

目次

OSPFとは

OSPF(Open Shortest Path First)とは、オフィスや企業のネットワークなど(同一の管理領域内)において、ルーター同士がルート情報を交換し合い、データを送信するための「最適な経路」を自動的に計算・選択するためのルーティングプロトコル(経路制御のルール)です。

OSPFは「リンクステート型」と呼ばれる方式を採用しています。ネットワークに参加しているすべてのルーターが、自分に接続されている回線の状態(リンク状態)を周りに知らせることで、全員がネットワーク全体の正確な地図(トポロジマップ)を共有します。そして、目的地までの「回線速度」を数値化(コスト)し、最もコストが低く早く届くルート(最短経路)をダイクストラ法というアルゴリズムで計算して決定します。回線が途切れた際も、即座に地図を更新して迂回路を見つけ出すことができる信頼性の高い仕組みです。

具体例

ある会社のネットワークで、東京本社から大阪支店へデータを送るルートが2つ(直接結ぶ遅い回線Aと、名古屋を経由する高速な回線B)あるとします。OSPFは単純な経由地(ルーター)の数ではなく、回線のスピードを考慮するため、遠回りに見えてもより早く届く「名古屋経由の回線B」を自動的に最適なルートとして選択します。

もう少し詳しく

OSPFは、同一の組織が管理する自律システム(AS)の内部で使用される「IGP(Interior Gateway Protocol)」に分類されます。OSPFの大きな特徴は、ネットワークを「エリア」という小さな単位に分割して階層管理できる点にあります。すべてのエリアは、必ず「エリア0(バックボーンエリア)」と呼ばれる中心のエリアに接続される必要があり、エリア内の詳細なトポロジ情報はエリア外には直接流れません。これにより、ルーターが処理する情報量を減らし、ネットワーク全体の負荷を抑えています。ルーター間では「LSA(Link State Advertisement)」というパケットを使って接続状態を同期し、全員が持っているリンク状態データベース(LSDB)を一致させます。その後、ダイクストラアルゴリズム(SPFアルゴリズム)を用いて、自身を起点とする最短経路ツリーを構築し、ルーティングテーブルを作成します。

試験でのポイント

ネットワークエンジニア試験や国家試験においては、OSPFが「リンクステート型」のプロトコルであり、経路選択の基準(メトリック)として「コスト(回線帯域幅に基づく値)」を使用することが非常によく問われます。特に、中継機器の数(ホップ数)をメトリックとする「RIP(Routing Information Protocol)」との違いを整理しておく必要があります。RIPが最大ホップ数15という小規模ネットワーク向けであるのに対し、OSPFはエリア分割によって大規模なネットワークに対応できる点を明確に理解しておきましょう。また、OSPFが稼働するルーター同士で接続を確認し合うために定期的に送信される「Helloパケット」の役割や、隣接関係(ネイバー関係)の確立プロセスについても問われます。

関連する用語

OSPFに関連する用語としては、AS内部の経路制御プロトコルの総称である「IGP」や、比較対象となるディスタンスベクタ型プロトコル「RIP」があります。また、最短経路計算の基礎となる「ダイクストラ法(SPFアルゴリズム)」や、リンク状態情報を交換するための「LSA」、そしてインターネット全体でAS同士を接続するために使われる「BGP」も重要な関連概念です。

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