BGPとは
BGP(Border Gateway Protocol)とは、インターネットを構成する巨大なネットワーク同士(プロバイダや大企業などの組織)を結びつけ、世界規模でデータを正しく送り届けるための経路制御(ルーティング)プロトコルです。いわば「インターネットの案内板」の役割を果たしています。
インターネットは、AS(自律システム)と呼ばれる個々のネットワークが繋ぎ合わさってできています。BGPは、このASの間で「自分のネットワークの先にはどんな宛先があるか」という情報を交換します。BGPの特徴は、単に「最短ルート」を選ぶだけでなく、各組織の運営方針やセキュリティ、通信コストといった「ポリシー」に基づいて、どの国やプロバイダの回線を経由させるかを細かく制御できる点にあります。
具体例
日本からアメリカのWebサイトにアクセスする際、データは多くのプロバイダを通過します。BGPがあるおかげで、「今は太平洋経由のルートAが混雑しているから、アジアを経由してアメリカに行くルートBを通そう」といったグローバルな経路切り替えが自動的かつ安定して行われています。
もう少し詳しく
BGPは、異なる自律システム(AS)間でルーティング情報を交換するために使用される「EGP(Exterior Gateway Protocol)」の代表例です。現在インターネットで広く使われているのは「BGP-4」というバージョンです。BGPは「パスベクタ型(経路ベクトル型)」と呼ばれる方式を採用しており、宛先ネットワークに到達するまでに通過する「AS番号の並び(ASパス)」を経路情報として伝えます。このASパスを参照することで、経路情報がループして同じ場所を回り続ける「ルーティングループ」を簡単に検知して排除することができます。また、BGPは信頼性の高い通信を行うため、下位プロトコルとしてTCP(ポート番号179)を使用し、ピア(隣接するBGPルーター)との間でコネクションを確立した上で経路情報のやり取りを行います。
試験でのポイント
試験においては、BGPが「EGP」に分類され、「パスベクタ型」のルーティングプロトコルであるという基本定義が最重要となります。また、経路選択の優先順位を決めるために、複数の「属性(パス属性)」を使用する点も問われます。代表的な属性には、ASの通過数を示す「ASパス」、ASの優先度を手動設定する「ローカルプリファレンス(Local Preference)」、外部からの流入経路を示す「MED(Multi-Exit Discriminator)」などがあります。これらを利用して、ネットワーク管理者がポリシーに応じた柔軟なルーティング制御(特定のプロバイダ経由を優先させるなど)を行っているという実務上の目的を理解しておきましょう。
関連する用語
BGPに関連する用語としては、管理単位となるネットワーク組織を示す「AS(自律システム)」や、AS間で用いる経路制御カテゴリである「EGP」があります。また、ASの内部で使われる「IGP(OSPFやRIPなど)」や、BGPルーター間で確立される信頼性の高い接続である「TCP接続(ポート179)」、そして通過するASのリストである「ASパス」も密接に関連する重要ワードです。