キャパシティ管理の解説(応用情報技術者シラバス用語)

目次

キャパシティ管理とは

キャパシティ管理(Capacity Management)は、ITサービスを提供するシステムにおいて、現在および将来にわたって必要とされる「処理能力や容量(キャパシティ)」を、最適なコストで計画・確保・維持するための管理プロセスです。サーバーのCPU使用率、メモリ容量、ディスク空き容量、ネットワークの帯域などを監視し、ユーザーが不満を感じない速度でサービスを提供できるよう、能力不足による遅延を防ぎつつ、過剰投資(無駄なコスト)を避けるバランスをとります。

具体例

例えば、ある動画配信サービスが「来月から大型のオリジナルドラマを公開する」と決定した場合、キャパシティ管理では、予想されるアクセス急増(視聴数)を予測し、現在の回線帯域や配信サーバーの処理能力で足りるかを事前にシミュレーションします。不足が予想される場合は、ドラマ公開日までに必要な分だけ一時的にサーバーの能力を増強(スケールアップ)します。

【キャパシティ管理の対象パラメータ】\n・CPU/メモリ使用率: サーバーの頭脳が悲鳴を上げていないか\n・ストレージ容量: ログやデータの蓄積によってハードディスクがいっぱいにならないか\n・ネットワーク帯域: データ通信路が混雑して遅延が発生していないか

もう少し詳しく

キャパシティ管理は、ITILにおいてITサービスの「リソースの最適化」を担う重要なプロセスです。その活動範囲は、以下の3つの観点(サブプロセス)に細分化されます。・ビジネス・キャパシティ管理:将来のビジネス要件(事業計画やイベントなど)を画像し、それに基づき将来必要となるITインフラの処理能力を予測・計画する。・サービス・キャパシティ管理:現在提供しているITサービスが、合意されたサービスレベル(SLA)を満たすパフォーマンスを発揮しているかを監視・管理する(例:トランザクション応答時間の追跡)。・コンポーネント・キャパシティ管理(技術的キャパシティ管理):個々のITインフラ構成要素(CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク帯域など)の利用状況やリソース使用率をハードウェアレベルで監視・管理する。これらの情報を収集・分析し、将来のリソース不足と予算計画をまとめた「キャパシティ計画(キャパシティプラン)」を定期的に作成します。また、キャパシティが逼迫した際に対処する「チューニング(設定最適化)」や「アップグレード(ハードウェア増強)」の計画もこのプロセスで行われます。

試験でのポイント

応用情報技術者試験では、キャパシティ管理の「目的」や「3つの分類(ビジネス、サービス、コンポーネント)」の特徴に関する問題が出題されます。特に「ビジネスの需要予測に基づき、将来必要となるITリソースを最適なコストで計画・調達する」「単にシステム負荷を下げるだけでなく、過剰な投資(コストの無駄)を防ぐというコストパフォーマンスの視点を持つ」といった点が正解選択肢として重要です。また、リソースを増強する手法としての「スケールアップ(個々のサーバーのCPUやメモリを増強する)」と「スケールアウト(サーバーの台数を増やして負荷を分散する)」の違いやメリット・デメリットも絡めて問われやすいため、インフラ設計の基本技術と結びつけて知識を整理しておく必要があります。

関連する用語

サーバー単体の処理性能を高めるスケールアップ、サーバーの稼働台数を増やして分散処理するスケールアウト、および将来のリソース需要を予測して計画するキャパシティプランニングがあります。これらを対比することで、効率的なシステムインフラ運用設計の手法を理解できます。

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