否認防止の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

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否認防止とは

否認防止(ひにんぼうし)とは、情報通信や取引を行った事実について、後から「そんなことはやっていない」「送信していない」などと関係者が主張(否認)することを防ぐ仕組みや状態のことです。インターネット上のやり取りでは、対面での契約書や印鑑のような物理的な証拠が残りにくいため、デジタル技術を用いて「取引が行われた確実な証拠」を残す必要があります。これにより、送信者と受信者の双方が安心して取引を行うことができます。

具体例

インターネットオークションで、ある商品を落札した取引を例に考えてみましょう。

落札者がお金を払って商品を受け取った後、出品者が「お金は受け取っていない」と言い張ったり、逆に落札者が「商品は届いていない」と嘘をついたりすることを防ぐために、以下のような仕組みが使われます。

  • 電子署名の利用:送信データに送信者独自のデジタル印鑑(電子署名)を付与することで、送信者が作成したことを他人が否定できなくなります。
  • 第三者機関(認証局など)の記録:取引が行われた日時と内容を第三者の信頼できるサーバーに記録しておくことで、後から言った言わないのトラブルを防ぎます。

もう少し詳しく

否認防止(Non-repudiation)は、情報通信システムにおいて送信元や受信元、あるいは取引の発生そのものを法的に、かつ技術的に証明可能な状態にすることです。電子商取引や電子契約において、悪意の有無に関わらず「そのようなデータを送信した覚えはない」あるいは「そのような指示は受けていない」と主張されると、ビジネスの前提が崩壊してしまいます。これを防ぐ代表的な技術が「公開鍵暗号」を用いた「デジタル署名(電子署名)」です。デジタル署名は、送信者本人しか持っていない「秘密鍵」で暗号化して作成されるため、署名されたデータは他の誰にも作ることができません。さらに、データがその時点で存在していたことと、それ以降に改ざんされていないことを保証する「タイムスタンプ(電子タイムスタンプ)」を組み合わせることで、「誰が」「何を」「いつ」確定したのかを第三者に対しても客観的に証明できるようになり、強力な否認防止が実現します。

試験でのポイント

試験では、否認防止を実現するための技術的な組み合わせが頻繁に問われます。具体的には、「公開鍵暗号方式によるデジタル署名」と「タイムスタンプ技術」の組み合わせが最も重要です。タイムスタンプサービス(TSA)が発行するタイムスタンプトークンにより、存在証明と非改ざん証明が行われる仕組みを理解しておきましょう。また、間違いやすい点として、「共通鍵暗号方式のみでは否認防止が難しい」という点があります。共通鍵暗号では送信者と受信者が同じ鍵を共有しているため、受信者が自らデータを作成して「送信者から送られてきた」と主張することが理論上可能であり、第三者に対して送信者が送ったものだと客観的に証明できません。この違いを明確に区別できるようにしておきましょう。

関連する用語

否認防止に関連する用語としては、改ざんを防ぎデータの同一性を保証する「完全性」、送信者が本人であることを確認する「真正性」、そして電子取引や電子契約の法的効力を支える「ISO/IEC 27001」などのセキュリティ規格があります。

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