AWSサポートプランとは
AWSサポートプラン(AWS Support Plans)は、AWSを利用するユーザーに対して、システム構築の技術的な質問への回答、障害発生時のトラブルシューティング、アーキテクチャのレビュー、コスト最適化の提案など、AWSの専門エンジニアやサポートチームが直接支援を提供する有償(一部無料)のサービスプログラムです。AWSは製品の種類が非常に多く、クラウドの設計やトラブル対応には専門知識が必要となります。ユーザーのビジネス規模やシステムの重要度に応じて、最適なサポートレベルを選択できるよう、4つのプラン(Basic、Developer、Business、Enterprise)が用意されています。すべてのAWSアカウント作成時には、自動的に無料の「Basic」プランが適用され、より迅速な対応や高度な技術サポートが必要になった場合に、有料のプランへいつでもアップグレードすることができます。
具体例
AWSサポートプランは、高級ホテルの「宿泊客サポートサービス(またはコンシェルジュデスクのランク)」に例えることができます。
- Basic(一般の宿泊客): 無料のプランです。ホテルのパンフレットや地図(ドキュメントやフォーラム)は自由に見られますし、フロントデスク(請求やアカウントに関する問い合わせ)には質問できますが、部屋の電球が切れたといった個別のトラブルに対して、専属のスタッフが部屋まで飛んできて技術的なサポートをしてくれることはありません。
- Developer(ビジネス目的の宿泊客): 初歩的な有料プランです。電子メールでフロントに相談でき、24時間以内に回答がもらえます。個人の学習や簡単な開発プロジェクトに適しています。
- Business(VIP顧客): 本格的な有料プランです。24時間365日、電話やチャット、メールで直接、コンシェルジュ(技術サポートエンジニア)とやり取りでき、重大なトラブル(サーバー停止など)の際は「1時間以内」に最初の返答がもらえます。本番環境をクラウドで動かす多くの企業にとっての標準的なプランです。
- Enterprise(超VIP・ロイヤルスイート宿泊客): 最高峰のプランです。専属のコンシェルジュ(TAM:技術担当アカウントマネージャー)が自社のために常駐・配属され、ホテルのあらゆるサービスを最優先かつ24時間いつでも、重篤なトラブル時は「15分以内」にサポートしてくれます。大企業のミッションクリティカルなシステム向けのプランです。
もう少し詳しく
AWSサポートプランの4つの詳細と違いは以下の通りです。
1. Basic サポート(無料):すべてのアカウントに標準装備されています。カスタマーサービス(請求・支払いやアカウントに関する問い合わせ)へは24時間365日チケットを起票できます。技術的な問い合わせには対応していませんが、「AWS Trusted Advisor」による基本的なセキュリティとコストのチェック(コアとなる7つのチェック項目)を利用できます。
2. Developer サポート(月額29ドル〜):開発やテスト環境向けのプランです。Webブラウザからメール(サポートケース)で技術サポートへ問い合わせができます。応答時間は、一般的な質問は24営業時間以内、システム障害(本番外)は12営業時間以内です。問い合わせできる人は登録された1名のみに制限されます。
3. Business サポート(月額100ドル〜、または利用料金の割合):本番環境を運用する企業向けのプランです。24時間365日、技術サポートエンジニア(Cloud Support Engineers)へ電話、チャット、メールで直接無制限に問い合わせできます。応答時間は、本番システムダウンなどの緊急時は1時間以内です。また、すべての「AWS Trusted Advisor」のチェック項目(フル機能)を利用でき、サードパーティ製ソフトウェア(OSや主要DBなど)の動作サポートも受けられます。
4. Enterprise サポート(月額15,000ドル〜):ビジネスに直結する基幹システムを運用する大企業向けのプランです。専属の技術窓口である「TAM(Technical Account Manager:技術担当アカウントマネージャー)」が配属され、インフラストラクチャの予防保守や大規模イベントの運用支援(Infrastructure Event Management)を行います。障害発生時の応答時間は最優先の「15分以内」です。また、請求やアカウントの事務的な調整を行うコンシェルジュチームへのアクセスも可能です。
試験でのポイント
CLF-C02試験において、サポートプランは各プランの「機能差」と「最適なユースケース」を問う問題が頻出します。以下のポイントを確実に丸暗記しておきましょう。
「24時間365日、技術サポートエンジニアに電話やチャットで直接相談できる最小のプランはどれか?」という問いに対しては「Business」プランと答えます(Developerプランはメールのみで電話・チャット不可です)。
「専属の技術担当アカウントマネージャー(TAM)が提供されるプランはどれか?」という問いの正解は「Enterprise」プランのみです(他のプランにTAMはつきません)。
「重篤な障害が発生した際、最初の応答時間が15分以内と定義されているプランはどれか?」という問いの正解も「Enterprise」プランです。
「請求やアカウントに関する問い合わせは、無料のBasicプランでも24時間365日行える」という点も引っかけ対策として重要です。
関連する用語
サポートプランのBusiness以上でフル機能が解放され、自動的に構成のアドバイスを行う「AWS Trusted Advisor」、Enterpriseサポートで専属配属される技術的な相談役「TAM(Technical Account Manager)」、およびトラブル問い合わせを行うための「AWSサポートセンター(コンソール)」が重要な関連用語です。