NFCの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

NFCとは

NFC(Near Field Communication)とは、至近距離(およそ10cm以内)で機器同士が通信を行うための近距離無線通信技術の規格です。デバイス同士を「かざす」だけで、非常に素早く安全にデータをやり取りできるのが大きな特徴です。ICカードやスマートフォンなどに埋め込まれたNFCチップと、読み取り機(リーダー)との間で双方向に通信を行います。通信速度は比較的遅いですが、接続のための複雑な設定やパスワードの入力などが不要で、一瞬で通信を確立できるため、電子決済や認証などの用途に幅広く活用されています。

具体例

最も身近な例は、駅の自動改札機で交通系ICカード(SuicaやPASMOなど)をかざして改札を通る時や、コンビニのレジでスマートフォン(Apple PayやGoogle Payなど)をかざして決済を行う時です。また、スマートフォンの背面同士を近づけて写真を共有したり、NFCタグシールにスマートフォンをかざすだけで特定のアプリを起動させたりする設定も可能です。以下はNFCタグを読み取ったときのプログラム的な処理イメージです。

// NFCタグ検出時の処理
void onNfcTagDetected(NfcTag tag) {
    String cardId = tag.readCardId();
    paymentProcessor.charge(cardId, 1000); // 1000円決済する
}

もう少し詳しく

NFC(Near Field Communication)は、直訳すると「近距離場通信」となり、その名の通り数センチメートルという非常に近い距離でのみ通信ができる無線通信規格です。元々は、日本のソニーが開発した「FeliCa(フェリカ)」や、オランダのNXPセミコンダクターズが開発した「MIFARE(マイフェア)」といった非接触型ICカードの技術をベースに、世界共通の標準規格としてまとめられたものです。

NFCの最大の特徴は、「かざすだけで一瞬で通信が成立する」という手軽さにあります。BluetoothやWi-Fiのように、接続先の機器を探してパスワードを入力したりペアリングを行ったりする煩わしい設定が一切不要です。また、通信距離が極端に短いため、意図せず離れた場所にある機器と繋がってしまうことや、遠くから電波を傍受されるリスクが低く、非常に安全性が高い通信方式と言えます。この特性から、交通機関の改札機やコンビニエンスストアでの電子決済、オフィスの入退室管理システムなど、素早さと高いセキュリティが求められる場面で広く普及しています。

さらに、NFCには自ら電波を発して通信を行う「アクティブモード(リーダー側)」と、相手からの電波を受け取ってそのエネルギーを利用して動作する「パッシブモード(カード側)」の2つのモードがあります。交通系ICカードなどの内部には電池が入っていませんが、改札機の読み取り機(リーダー)から発せられる微弱な電波を受信し、それを電力に変換して内部のチップを動かし、情報を送り返しています。これにより、ICカードは電池交換不要で半永久的に使用することが可能になっています。

試験でのポイント

基本情報技術者試験やITパスポート試験でNFCが出題される際は、その「用途」と「通信距離」が大きなヒントになります。「数センチ程度の至近距離」「かざすだけで通信」「交通系ICカードや電子マネーでの決済に利用される」といったキーワードが出てきたら、NFCが正解となります。他の無線通信規格であるBluetoothやWi-Fi、赤外線通信(IrDA)との違いを明確に区別できるようにしておきましょう。

また、NFCの基盤となっている技術として、ソニーが開発した「FeliCa(フェリカ)」や、非接触型ICカードの一般的な総称である「RFID(Radio Frequency Identifier)」といった関連用語が選択肢に並ぶこともあります。RFIDは電波を用いてタグのデータを非接触で読み取るシステム全体のことを指し、NFCはそのRFIDの中でも特に近距離通信に特化した国際規格の一つである、という包含関係を理解しておくと、より深い設問にも対応できます。

関連する用語

NFCに関連する重要な用語として、電波を使ってタグの情報を非接触で読み書きする技術全般を指す「RFID」、日本の交通系ICカードなどで広く採用されている高速処理が可能な規格「FeliCa」、そして同様に近距離で利用される無線技術「Bluetooth」などがあります。

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