IoTデバイスとは
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスとは、インターネットに接続する機能を持った日常の様々な「モノ(機械や道具)」のことです。従来のパソコンやスマートフォンだけでなく、家電製品、自動車、工場の機械、農業用センサーなどがインターネットに繋がり、相互にデータをやり取りします。IoTデバイスは、周囲の状況を検知する「センサー」によって温度や位置情報などを取得し、そのデータをインターネット経由でサーバーに送信します。さらに、サーバーからの指示を受け取って、モノを動かす「アクチュエータ(モーターなど)」を動作させることもできます。
具体例
例えば、「スマートエアコン」は代表的なIoTデバイスです。外出先からスマートフォンのアプリを使って室温を確認したり、帰宅前に電源をONにしたりできます。また、部屋の温度センサーが「室温が28度を超えた」と判断したときに、自動でエアコンのスイッチを入れるプログラムも構築できます。以下は、IoTデバイスである温度センサーが温度データを定期的に送信するプログラムの例です。
// IoT温度センサーの動作例
while (true) {
float temp = tempSensor.read(); // 温度を測定
Internet.sendData("http://cloud-server/temp", temp); // サーバーに送信
sleep(600); // 10分間スリープ
}
もう少し詳しく
IoTデバイス(Internet of Things Device)は、これまではインターネットとは無縁だったあらゆる「モノ」に通信機能を持たせ、ネットワークに接続することで新たな価値を生み出す機器の総称です。IoTの仕組みは大きく分けて「データ収集」「データの送信・蓄積」「データの分析・判断」「フィードバック(制御)」の4つのステップで構成されており、IoTデバイスはこのうちの「収集」と「フィードバック」という最前線の役割を担っています。
IoTデバイスには、周囲の状況をデータとして読み取る「センサー」が搭載されています。例えば、温度センサー、湿度センサー、GPS(位置情報)、加速度センサー、カメラ、マイクなどです。これらのセンサーが取得した膨大なデータは、インターネットを通じてクラウドサーバーに送信され、AI(人工知能)などを用いて高度な分析が行われます。そして、その分析結果に基づいて、IoTデバイスに搭載された「アクチュエータ(モーターやスイッチなどの駆動装置)」が動作し、現実世界に変化をもたらします。
例えば、農業の分野では、畑に設置されたIoTデバイス(土壌水分センサー)が土の乾き具合を監視し、クラウド上のシステムが「水が足りない」と判断すると、自動的にスプリンクラーのバルブ(アクチュエータ)を開いて水やりを行います。また、製造業では、工場の機械に振動センサーを取り付け、普段とは違う異常な振動を検知した瞬間に管理者にアラートを送り、機械が完全に壊れる前に部品を交換する「予知保全」にも活用されています。このように、IoTデバイスはデジタル空間(インターネット)と物理空間(現実世界)を繋ぐ重要な架け橋となっています。
試験でのポイント
情報処理技術者試験において、IoTに関する問題は近年非常に重要視されており、頻出テーマとなっています。IoTデバイスの役割を問う問題では、「現実世界の情報を収集する(センサー)」機能と、「ネットワーク経由で指示を受け取り物理的な動作を行う(アクチュエータ)」機能の両面を理解しているかが問われます。
また、IoTデバイスから収集された膨大なデータを意味する「ビッグデータ」や、そのデータを分析して価値を見出す「AI(人工知能)」といった関連技術との組み合わせ(IoT × ビッグデータ × AI)によるシステム構成例が出題されることも多いです。試験問題の中で「あらゆるモノがインターネットに接続され〜」や「センサーで取得したデータをクラウドに送信し〜」といった記述があれば、IoTに関する記述であるとすぐに判断できるようにしておきましょう。さらに、IoTデバイスはセキュリティ対策が不十分なままインターネットに接続されることが多く、サイバー攻撃(DDoS攻撃など)の踏み台にされやすいというセキュリティ上の課題についてもよく問われます。
関連する用語
IoTデバイスの仕組みを理解する上で、物理世界の情報をデータ化する「センサー」、コンピュータからの命令を受けて物理的な動作を起こす「アクチュエータ」、そして集まった膨大な情報を保管・処理する「クラウドコンピューティング」などの用語が密接に関わってきます。