労働基準法の解説(ITパスポートシラバス用語)

労働基準法の解説(ITパスポートシラバス用語)
目次

労働基準法とは

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労働基準法は、働く人(労働者)が安全に、そして健康に働くための最低限のルールを定めた法律です。会社(使用者)は、この法律で決められた条件よりも悪い条件で人を働かせることはできません。例えば、1日に働いてよい最長の時間は原則として8時間(週40時間)と決められています。もしこれを超えて働かせる場合(残業)は、会社と労働者の代表が協定を結び、さらに残業代(割増賃金)を支払う必要があります。また、一定期間働いた人には、有給休暇(休んでもお給料がもらえる休み)を与えることもこの法律で義務付けられています。労働基準法は、働く人の生活と健康を守るための「命綱」とも言える非常に重要な法律です。

具体例

IT企業で働くプログラマーのAさんがいるとします。Aさんの会社では「うちの会社は忙しいから、1日10時間働くのが当たり前」という独自ルールがあったとしても、これは労働基準法違反となります。原則として1日8時間を超える部分は残業となり、会社はAさんに対して通常の1.25倍以上の割増賃金を支払う義務があります。

もう少し詳しく

労働基準法(労基法)は、日本国憲法第25条の「生存権」および第27条第2項の「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」という規定に基づいて制定された、労働者の権利を守るための最も根幹的な法律です。

この法律は「強行法規」であり、労使の合意(約束)や就業規則よりも強い効力を持ちます。たとえ労働者自身が「残業代は不要である」と納得して労働契約書に署名したとしても、労働基準法を下回る労働条件の合意は法的にすべて「無効」となり、自動的に労働基準法で定める最低基準が適用されます。

労働基準法の主な重要項目は以下の通りです。

労働時間と休日(法定労働時間・法定休日):原則として、休憩時間を除き「1日8時間、1週40時間」が上限であり、休日は「毎週少なくとも1回」与える必要があります。
36(さぶろく)協定:企業が法定労働時間を超えて労働者に残業や休日労働をさせる場合、労働者の過半数で組織する労働組合(または過半数代表者)と書面で協定を結び、労働基準監督署長に届け出る義務があります。この協定は労働基準法「36条」に規定されているため「36協定」と通称されます。これが未締結・未届の状態で残業をさせると違法行為となります。
割増賃金:時間外労働(残業)および深夜労働(午後10時から午前5時まで)に対しては通常の「25%以上」、法定休日労働に対しては通常の「35%以上」の割増賃金(残業手当)を支払わなければなりません。
年次有給休暇:入社から「6ヶ月」継続勤務し、全労働日の「8割以上」出勤した労働者に対して、最低10日の有給休暇を付与する義務があります。働き方改革の一環として、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、年5日の取得が義務化されています。

試験でのポイント

ITパスポート試験のストラテジ系(法務、労働関連法規)における最重要法規の一つです。具体的な数値を伴うルールが多く、正確に暗記しておくことが求められます。

試験対策上の重要キーワードは以下の4つです。
1. 法定労働時間と深夜時間帯:「1日8時間・1週40時間」の数値や、深夜労働が「午後10時(22時)から午前5時まで」であることを暗記してください。
2. 36協定の提出先:36協定は、労働基準法第36条に基づくこと、そして「労働基準監督署」に届け出ることが必要であるという基本を覚えましょう。
3. 有給休暇の要件:「6ヶ月」の継続勤務と「8割以上」の出勤という2つの条件が揃うことで、初めて「10日」の有給休暇が付与される点が出題されます。
4. 管理監督者(ひっかけ対策):労働基準法で定める「管理監督者(役職者など)」は、労働時間・休日・休憩の制限は適用されませんが、「深夜労働の割増賃金」および「年次有給休暇」の付与規定は一般従業員と同様に適用される、という点は難易度の高い問題でよく問われますので整理しておきましょう。

関連する用語

労働基準法に関連する用語には、残業や休日労働を可能にする労使協定である「36協定」、法令が遵守されているかを監督する行政機関「労働基準監督署」、職場における安全と労働者の健康を確保する「労働安全衛生法」、そして労働基準法と並ぶ労働三法の一つである「労働組合法」があります。

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