BPRの解説(ITパスポートシラバス用語)

BPRの解説(ITパスポートシラバス用語)
目次

BPR(Business Process Re-engineering / 業務プロセス再構築)とは


BPR(業務プロセス再構築)とは、既存の業務手順や組織の構造を部分的に手直し(改善)するのではなく、一度すべてを白紙に戻し、根本から設計し直す(再構築する)経営手法です。売上や品質、スピード、コストなどの業績指標において、劇的な向上を達成することを目指します。多くの場合、最新のIT技術の導入と組み合わせて行われます。

具体例

ある企業の経費精算の手続きをめぐるBPRの具体例です。

  • 従来の改善:「領収書を貼り付ける用紙のフォーマットを書きやすく変更する」
  • BPRの実施:紙の領収書とハンコによる回覧・承認ルールそのものを廃止します。スマートフォンで領収書を撮影すればAIが文字を認識し、自動で経理システムにデータが送信され、上司の承認もスマホ上で完結するシステムへと業務プロセス全体をガラリと変えます。

このように、「そもそもこの仕事は必要なのか?もっと良いやり方はないか?」と問い直すのがBPRです。

もう少し詳しく

BPR(業務プロセス再構築)は、1990年代初頭にマイケル・ハマーやジェイムス・チャンピーらによって提唱され、世界中の企業に大きな影響を与えた経営コンセプトです。BPRの最大の特徴は「根本的な見直し(Fundamental)」と「劇的な改善(Dramatic)」という点にあります。日本の企業が得意としてきた「カイゼン(改善)」は、現状の業務フローを前提とし、現場の工夫によってムダを少しずつ減らしていくボトムアップ型のアプローチです。これに対してBPRは、「そもそもこの業務は必要なのか?」「目的を達成するためには、全く違うアプローチがあるのではないか?」と、現状をすべてゼロベース(白紙)で考え直し、トップダウンで業務の構造そのものを再設計する大胆なアプローチをとります。BPRを実施する背景には、市場環境の激しい変化や競争の激化があり、小手先の改善では対応しきれないという危機感があります。BPRを成功させることで、コストの大幅な削減、処理スピードの飛躍的な向上、顧客満足度の改善といった多大なメリットが得られます。しかし、デメリットとして、大規模な組織変更や人員配置の転換を伴うことが多いため、従業員からの激しい反発や混乱を招くリスクがあり、経営トップの強い意志と丁寧なコミュニケーションが不可欠です。近年では、ERP(統合業務パッケージ)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの最新ITツールの導入を前提としてBPRが進められるケースが一般的です。

試験でのポイント

ITパスポート試験においてBPRは頻出用語の一つです。問題文に「既存の業務プロセスを抜本的に見直す」「業務を根本から再設計する」といったキーワードがあれば、正解はBPRです。よく似た用語としてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング:業務の一部を外部の専門業者に委託すること)がありますが、BPRは「社内の業務手順そのものを作り直す」ことであり、BPOは「業務の実行を外部に任せる」ことですので、明確に区別できるようにしておきましょう。また、「継続的で漸進的な改善(カイゼン)」とは異なる、「抜本的・劇的・ゼロベース」という強いニュアンスを持つ言葉であることを覚えておくと、正誤判定が容易になります。

関連する用語

BPRを実行する際、業務の流れを可視化するためにワークフローという概念が使われます。また、再構築された標準的な業務プロセスをシステムとして実現するために、ERP(企業資源計画)パッケージが導入されることがよくあります。

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