アジャイル開発とは
アジャイル開発(あじゃいるかいはつ)とは、システムやソフトウェアを迅速(アジャイル:俊敏な)に開発するための手法の総称です。最初に完璧な計画を立てるのではなく、開発対象をいくつかの小さな機能に分割し、「計画 → 設計 → プログラミング → テスト」という短いサイクル(1〜4週間程度)を何度も繰り返しながら、徐々にシステムを完成させていきます。
家づくりに例えると、最初にプレハブ小屋のような最小限住める部屋を素早く作り、実際に住んでみて「やっぱりキッチンは広い方がいい」「子供部屋が必要になった」と感じた意見を取り入れながら、増改築を繰り返していくイメージです。ユーザーの意見や社会の状況変化に柔軟に対応できるのが最大のメリットです。
具体例
新しく立ち上げるスマートフォンのSNSアプリの開発でよく使われます。
- 最初の2週間で、文字だけを投稿・閲覧できる「最もシンプルな機能」を作り、一度世の中に公開します。
- 公開後、ユーザーから「写真も載せたい」という意見が多ければ、次の2週間で写真投稿機能を設計・開発して追加します。
- さらにその次に「いいね機能」や「ダイレクトメッセージ機能」を順番に追加し、アプリを成長させていきます。
もう少し詳しく
アジャイル開発は、2001年に発表された「アジャイルソフトウェア開発宣言」を起源とする開発手法の総称です。ビジネス環境の変化が激しく、ユーザーのニーズを事前にすべて予測することが困難な現代において、迅速かつ柔軟にシステムを構築するために考案されました。開発プロジェクト全体を「イテレーション(反復)」と呼ばれる数週間程度の短い期間に区切り、その期間内に小さな機能単位で「計画・設計・実装・テスト・リリース」を完結させます。そして、実際に動くソフトウェアをユーザーに評価してもらい、そのフィードバックを次のイテレーションに即座に反映します。これにより、仕様変更に対する修正コストを最小限に抑え、市場への投入価値を最大化します。アジャイル開発は特定の開発手法そのものを指すのではなく、柔軟かつ俊敏に開発を進めるための「価値観や考え方」を指します。顧客とのコラボレーションを最優先とし、動くソフトウェアを早期に届けることで価値を検証します。
試験でのポイント
試験における重要なポイントは、ウォーターフォールモデルとの違いを明確に理解することです。アジャイル開発では「計画の緻密さよりも、変化への柔軟な対応や実際に動くソフトウェアを早期にリリースすることを重視する」という哲学を理解しておきましょう。また、「イテレーション」と呼ばれる短い期間を繰り返しながら開発を進めることや、仕様変更が発生しやすい新規ビジネスやモバイルアプリ開発に向いているという適用分野についての問題がよく出題されます。間違いやすい点として「ドキュメントを一切作らない」という誤解がありますが、必要最小限のドキュメントは作成される点も注意が必要です。
関連する用語
ウォーターフォールモデル、スクラム、スプリント、イテレーション、アジャイルマニフェスト