2018年に解体された新潟・万代のレインボータワーを、ブラウザで動く3Dで再現しました。回転しながら昇る展望室にもう一度乗って、萬代橋と信濃川、新潟の街並みを見渡せます。VRゴーグルにも対応しています。
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レインボータワーとは
レインボータワーは、新潟市中央区万代のバスセンターに立っていた回転昇降式の展望塔です。
- 1973年(昭和48年)11月23日開業、高さ約100m
- 塔は下から藍・青・水色・緑・黄・橙・赤・白の虹色で、頂部は赤
- 2階建て・定員60人の展望室が、回転しながら昇降した(頂上まで約10分)
- のりばはバスセンタービル2階。延べ約341万人が乗った
- 2012年に営業終了が発表され、2018年8月から11月にかけて解体された
いまはバスセンター2階の跡地が緑地「なないろガーデン」になっていて、展望室を模したモニュメントがあります。
できること
- 展望室に乗る: バスセンター2階のゲートを抜けて展望室へ。展望室は回転しながら昇り、頂上で止まって、また回りながら下ります。中を歩き回れて、螺旋階段で上の階にも上がれます。運行の速さは実時間・5倍・20倍から選べます。
- 萬代橋を渡る: 1929年竣工の三代目・萬代橋(橋長306.9m、国の重要文化財)を歩いて渡れます。6連のアーチ、御影石の側面、親柱と橋名板、照明灯まで作り込みました。車は左側通行で走り、歩行者の前では止まります。
- やすらぎ堤を歩く: 水際の遊歩道、5割勾配の芝の法面、桜並木と柳。
- 時間と季節: 朝・昼・夕・夜、春夏秋冬を切り替えられます。春は桜が咲き、秋は紅葉し、冬は枝だけになります。
- 全画面: ⛶ ボタンか F キー。スマホは横向きがおすすめです。
- VR: WebXR に対応したブラウザとVRゴーグルでは「🥽 VR で入る」ボタンが出ます。左スティックで歩き、右スティックで30°ずつ向きを変え、トリガーで乗る・出発・降りるを操作します。
- ベンチに座る: 展望室の上の階にある青いベンチの前で E キー。窓の方を向いて座り、目の高さが下がります。座ったまま出発し、回りながら昇る景色を眺められます。
- みんなで遊べる: ほかのプレイヤーがいると、その人が街や展望室を歩く姿が見えます。ログインしていなくても「ゲスト」として入れます。同じ展望室に乗り合わせることもできます。
- チャット: StudyQuest のはじまりの町・カジノと共通のワールドチャットです。新潟から話した言葉は町やカジノにいる人にも届き、近くの人の頭の上には吹き出しが出ます。ゲストは「全サーバ」と「周囲」で話せます(短い文だけ・リンクは伏せ字)。
- 街を歩く人: 歩道・萬代橋・やすらぎ堤を、はじまりの町の村人が歩いています。三人称視点の自分の体も村人で、男性・女性を選べます。

新潟の街は実際の地図から作りました
最初の版は、萬代橋から道路が1本延びているだけで、街も推定の箱を並べたものでした。そこで、街並みを OpenStreetMap のデータから作り直しました。
- 萬代橋の両端の座標を原点と軸にして、緯度経度をメートルの座標へ変換しています。
- 道路は約1,060区間。萬代橋通り・柾谷小路・東大通・明石通り、古町の通りと小路、八千代橋と柳都大橋が実際の位置にあります。交差点の手前には横断歩道、幹線には歩道と中央線を描いています。
- 建物は約1万棟。外形は実物どおりで、高さは OSM に記録があればそれを使い(朱鷺メッセの万代島ビル 140m など)、無ければ種類・面積・大通りからの距離で推定しました。小さな木造住宅は瓦の寄棟屋根にしています。
- 信濃川の岸の線も実際の形です。萬代橋の所で幅は約270m、下流は約190mで、上流は西へ大きく曲がります。やすらぎ堤はこの岸の線に沿って作っています。
- 地図の外は遠景として、日本海(海岸線から作った面)と低い街並みを置きました。

作り直していて、最初の版は東西が鏡写しになっていたことに気づきました。萬代側を +X にしたときの「上流」の向きを取り違えていたためです。実際の向きに直したので、昼の太陽は南に、夕日は日本海の方に沈みます。
萬代橋の橋詰の坂 — 国土地理院の標高を使いました
新潟の中心街は海抜0〜0.6mほどで、信濃川の水面とほとんど同じ高さです。一方、萬代橋の橋台は約4mあり、萬代橋通り・柾谷小路は橋から街へ向かって、約140mかけて3.5mほど下っていきます。最初の版は街を平らにしていたので、この坂がありませんでした。
そこで、国土地理院の地理院タイル(数値標高モデル、5mメッシュ)から地形を作り直しました。道路・歩道・建物・木・歩く人、そして自分が歩く地面が、すべてこの標高に沿います。やすらぎ堤の天端の高さも、場所ごとに標高から読み取っています。
坂の途中では、地面が道路を突き抜けて見える所がありました。道路は2mおきに標高を拾っていますが、地面の三角形は5m格子なので、坂の途中で地面の方が少し高くなっていたためです。幅の広い道路も幅の方向には刻んでいませんでした。道路を幅の方向にも細かく刻み、道路の周りの地面を少し下げて、縁に段の側面を付けて直しました。

汚れと風化(ウェザリング)
新品の CG のようにきれいすぎると、本物らしく見えません。橋・塔・バスセンター・街のビルに、雨だれの筋、足元の泥はね、笠石や手すりの上の埃、壁のまだらな染み、塗装の錆を加えました。萬代橋の橋脚には、水面のあたりに濡れて藻の付いた帯が出ます。どれも位置と面の向きから計算しているので、どの部材にも継ぎ目なく掛かります。

街を歩く人と、ほかのプレイヤー
街の人は、StudyQuest のはじまりの町の村人と同じモデルです。歩道は OpenStreetMap の道路の歩道の真ん中を、萬代橋は両側の歩道を、やすらぎ堤は水際の遊歩道を歩き、端まで来ると少し立ち止まって引き返します。近くの人は細かいモデル、遠くの人は軽いモデルにして、遠くの人の動きの計算は間引いています。
ほかのプレイヤーも村人の姿で見えます。位置と姿勢(歩く・立つ・座る)を1秒に5回ほどやり取りし、届いた位置へなめらかに寄せて描きます。展望室に乗っている人がいると、地上にいる人の画面の展望室もその人の運行にそろうので、同じ展望室に乗り合わせられます。

木と芝は StudyQuest の町・カジノと共通
- 木: はじまりの町で使っている Blender 製の樹木を使っています。桜は無かったので、町の樹木の仕組みに「春に花が咲く桜」を足しました。町でも同じ桜が使えます。
- 柳: 新潟は「柳都」とも呼ばれます。町の樹皮と季節の葉のテクスチャで、枝垂れる柳を作りました。
- 芝: カジノのドッグランの芝を堤防の法面に生やしています。風でそよぎ、足元で倒れます。

夜のちらつきを直した方法
夜の街がちらついて見える原因は3つありました。
- 遠くの窓: ビルの窓はシェーダで描いていて、窓の縁がくっきりしていました。遠くで窓が1画素より細かくなると、カメラが少し動くたびに明るい窓が点いたり消えたりします。窓の縁を画素の幅でぼかし、細かすぎる所は窓の平均の色に置き換えるようにしました。点いている窓も、窓ごとの乱数ではなく、階ごとに数本ずつまとめて点けています。
- 街灯の光: 近くの灯具6つだけに本物の光を灯していて、カメラが動くと光を別の灯具へ瞬間的に付け替えていました。消えてから点くまでを0.3秒ずつのフェードにしました。
- 明るすぎ: 1万棟の窓の明かりがすべて光のにじみ(ブルーム)の基準を超えて、街全体が白く光っていました。明かりを落としています。
- 窓の明かりの砂嵐: それでも斜めに見たビルの窓が、砂嵐のようにちらついていました。原因は、建物ごとに決めている乱数の種を、画素ごとに少しずつ補間していたことでした。補間のわずかな誤差(1千万分の1ほど)が乱数で大きく増幅され、同じ窓の中で点いている画素と消えている画素が混ざっていました。種を補間しないようにして直しました。地図の上で重なっている建物は、壁と屋根が同じ面に重ならないように少しずつずらしています。

再現の確度
塔の高さ・色の順・展望室の定員・のりばの位置は公開資料に基づきます。塔の太さ・色帯の境目の高さ・展望室の内部寸法・昇降の範囲・バスセンターの階高と階段の位置は公開されていないため、写真と再現設計書からの推定です。塔の位置は Wikipedia の座標をもとに、バスセンター2階の中庭に収まるよう6.8m調整しました。
VRは WebXR の標準の操作で作っていますが、手元にVRゴーグルが無く、実機ではまだ確かめていません。不具合があればお知らせください。
出典: Wikipedia「レインボータワー」、日本経済新聞(2018年 解体報道)、にいがた速報(なないろガーデン)、文化庁 国指定文化財等データベース、国土交通省 北陸地方整備局。地図データ © OpenStreetMap contributors(ODbL)。標高: 国土地理院 地理院タイル(数値標高モデル)を加工して作成。
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