Chapter 34
科目A-1|サービスマネジメントの用語を順に解説します。
ITILとは ITIL(アイティル:Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービスを効果的かつ安定して管理・提供するためのベストプラクティス(成功事例や標準的な業務プロセス)を体系的にまとめた書籍群、およびフレームワークです。 システムは作って終わりではなく、日々の運用や利用者のサポート(ITサービスマネジメント)が重要です。ITILでは、ユーザーに価値を届けるための戦略から、設計、移行、日々の運用、そして継続的な改善に至るまでのプロセスが詳細に定義さ
SLAとは SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)とは、ITサービスの提供者(クラウド事業者やシステム運用会社など)と、そのサービス利用者の間で、提供されるサービスの「品質水準(サービスレベル)」について事前に合意を取り交わした文書や契約のことです。 SLAには、サービスの品質を測る具体的な数値目標(指標)と、それを下回った場合のペナルティ(返金など)が明記されます。代表的な指標として、システムが1年間のうちに正常に稼働している時間の割合を示す「稼働率」(例:99.9%以上)
インシデント管理とは インシデント管理とは、ITサービスにおいて、システムの停止や動作の不具合、使い方がわからないといった、サービスが正常に利用できない状態(インシデント)が発生した際に、できるだけ早く「通常のサービス状態」へ復旧させるための管理プロセスです。 ここでの最大の目標は「根本的な原因を解明すること」ではなく、まずは「ユーザーが仕事を再開できるようにすること(暫定対応や回避策の実施)」です。例えば、プリンタが壊れて印刷できないという問題に対し、原因究明を後回しにして「別のプリンタから印刷させる」という対応
問題管理とは 問題管理とは、ITサービスにおいて、発生した不具合(インシデント)の「根本的な原因」を突き止め、同じトラブルが再発しないように恒久的な対策を講じる管理プロセスのことです。 トラブルを一時的に解決する「インシデント管理」に対し、「問題管理」は問題の根っこにある真の原因を追求することを重視します。これにより、同じ原因で何度もトラブルが発生し、業務がストップしてしまうのを防ぐことができます。具体的には、発生したトラブルの傾向を分析して隠れたシステム上の不具合(バグ)やネットワーク設計の弱点を見つけ出し、根本
変更管理とは 変更管理とは、ITサービスを構成するシステムやサーバーの設定、ソースコードなどを変更する際に、その変更作業によって発生するリスク(新たなシステム障害やユーザー業務への影響)を最小限に抑え、安全かつ確実に移行を進めるための承認・管理プロセスです。 システムに新しい機能を追加したりバグを修正したりすることは必要不可欠ですが、十分なテストや計画なしに本番環境へ変更を加えると、予期せぬ大きな障害を引き起こす危険性があります。変更管理プロセスでは、「なぜその変更を行うのか」「影響を受ける範囲はどこか」「作業が失
構成管理とは 構成管理とは、ITサービスを安定して提供するために、システムを構成しているすべてのIT資産や構成要素(サーバー機器、ソフトウェア、ネットワーク機器、取扱説明書などのドキュメント)の情報を正確に把握し、それらの関係性や履歴を記録・管理するプロセスのことです。 管理の対象となる個々の要素を「構成アイテム(CI)」と呼び、それらの詳細データは「構成管理データベース(CMDB)」と呼ばれる専用のデータベースに記録され、一元管理されます。構成管理がしっかりと機能していれば、「どのサーバーにどのバージョンのOSが
サービスデスクとは サービスデスクとは、ITサービスの利用者(顧客や社内の従業員)からのあらゆる問い合わせ、要望、トラブルの報告を一手に対応する「単一の窓口(シングルポイントオブコンタクト)」のことです。 「パソコンの電源が入らない」「パスワードを忘れてログインできない」「新しい業務システムの使い方を教えてほしい」など、利用者の困りごとは多岐にわたります。もし対応窓口がバラバラだと、利用者はどこに相談すべきか迷ってしまいますが、サービスデスクを設置することで、すべての問い合わせを一度に受け付け、必要に応じて適切な専
UPSとは UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは、落雷や災害などによる突然の停電や電圧低下が発生した際に、接続されているコンピューターや精密機器に対して、内蔵されたバッテリーから一時的に電力を供給し続けるための装置です。 サーバーやPCなどのIT機器は、動作中に突然電源が切れると、保存処理中のデータが破損したり、機器自体が故障したりするリスクがあります。UPSは停電を検知すると瞬時にバッテリー給電に切り替え、数分〜数十分の電力を維持します。この間に、システムを安全に
BCPとは BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、大地震や台風などの自然災害、テロ攻撃、感染症の流行、システム障害といった予期せぬ緊急事態が発生した際に、企業が受ける損害を最小限に抑え、重要な業務を中断させない、あるいは中断してもできる限り短い時間で復旧させるために、あらかじめ決めておく具体的な行動計画のことです。 もし何の備えもなければ、緊急事態が起きたときに社内が大混乱に陥り、操業停止が長引いて顧客を失ったり、最悪の場合は倒産に追い込まれたりするリスクがあります。BCPを
システム監査とは システム監査とは、企業や組織が利用している情報システムが、安全かつ有効に、そして法律や社内ルールを守って正しく運用されているかどうかを、独立した第三者の立場から客観的に点検・評価することです。評価した結果を踏まえて、問題点があれば改善のためのアドバイス(勧告)を行います。 システムが正しく動いているかをチェックするだけでなく、「個人情報が漏洩しない仕組みになっているか(安全性)」「無駄なコストがかかりすぎていないか(効率性)」「災害時に復旧できるようになっているか(信頼性)」など、多角的な視点から
内部統制とは 内部統制とは、企業などの組織がその目的を達成するために、業務の中に組み込んで社員全員で守り実行する「仕組み」や「プロセス」のことです。経営者が会社を健全に経営し、不正やミスを防ぐための社内ルールや監視システムを指します。健全な企業運営を行うための大枠としての取り組みを「ITガバナンス」などと呼び、内部統制はその重要な要素です。 内部統制には主に4つの目的があります。「業務の有効性と効率性を高めること」「財務報告の信頼性を確保すること(決算書などの嘘を防ぐ)」「法律や条例などの法令を守ること(コンプライ
公式資料へのリンクと確認日を各記事に掲載しています。