NASとは
NAS(Network Attached Storage:ナス)とは、ネットワーク(LAN)に直接接続して使用する、ファイル保存専用のハードディスク(ストレージ)のことです。通常のハードディスクはUSBケーブルなどでパソコンと「1対1」で接続しますが、NASはルーターやスイッチを介してネットワーク全体に接続されるため、同じネットワーク内にある複数のパソコンやスマートフォン、タブレットから「同時に」データを読み書きすることができます。オフィスでのファイル共有や、自宅での家族間の写真・動画の共有などに広く使われています。
具体例
オフィスで作成した会議の資料を、他のメンバーに共有したいとします。資料を個人のパソコンに保存したままだと、メールで送ったりUSBメモリに移して手渡したりする必要がありますが、社内LANに繋がったNASの共有フォルダに保存しておけば、他のメンバーが自分の席から即座にそのファイルにアクセスして共同で編集することができます。接続イメージは以下の通りです。
[ パソコンA ] ----+
[ パソコンB ] ----+---- (社内ネットワーク) ----> [ NAS (ファイル共有) ]
[スマホ/タブ] ----+\nもう少し詳しく
NAS(Network Attached Storage:ネットワーク対応ストレージ)は、ファイル共有に特化した専用のコンピュータ機器(アプライアンスサーバー)です。機器の内部にはハードディスク(またはSSD)やRAIDコントローラー、そしてネットワーク経由でファイルをやり取りするための専用OSが組み込まれています。
通常のハードディスク(DAS:Direct Attached Storage)は、USBケーブルなどで特定のパソコンに1対1で接続するため、他のパソコンから利用するには繋ぎ変えが必要でした。一方、NASはLANケーブルでネットワーク(ルーターやスイッチングハブ)に直接接続します。これにより、WindowsやMac、スマートフォンなど、異なるOSを搭載した複数の端末から、同時に同じファイルへアクセスできるようになります。
NASと似た用途のものに「ファイルサーバー」があります。ファイルサーバーは汎用的なサーバーOS(Windows ServerやLinuxなど)をインストールし、詳細なアクセス権限の設定や他のアプリケーションとの連携など複雑な管理が可能ですが、構築や運用に高度な知識と手間がかかります。それに対してNASは「ファイル共有」という目的に特化して設計されているため、導入が非常に簡単で、電源を入れ簡単な初期設定をするだけですぐに使い始められるというメリットがあります。
また、企業向けのNASのほとんどは、内部に複数のハードディスクを搭載しており「RAID構成(RAID 1やRAID 5など)」があらかじめ組まれています。これにより、1つのハードディスクが故障してもファイルが消えないよう安全性が確保されています。
試験でのポイント
試験では「NAS」と「SAN(Storage Area Network)」の違いを問う問題がよく出題されます。
- NAS(Network Attached Storage):通常のLAN(EthernetとTCP/IPネットワーク)に接続し、「ファイル単位」でデータをやり取りするストレージ機器です。ファイル共有が主な目的です。
- SAN(Storage Area Network):ストレージ専用の高速なネットワーク(Fibre Channelなど)を構築し、サーバーとストレージを接続します。「ブロック単位」でデータの読み書きを行うため非常に高速で、データベースなど大規模なシステムで使われます。
「ネットワークに直接接続」「ファイル単位のアクセス」というキーワードが出たらNAS、「専用ネットワーク」「ブロック単位のアクセス」であればSANと区別できるようにしておきましょう。
関連する用語
ストレージ専用のネットワークである SAN(Storage Area Network) や、より高度な管理が可能な汎用サーバーである ファイルサーバ との用途の違いを理解することが重要です。