MPEGの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

MPEGとは

MPEGとは、動画や音声を効率よく圧縮するための国際的な技術規格の総称です。動画データはパラパラ漫画のように静止画が大量に連なっているため、そのままでは非常に大容量になってしまいます。MPEGでは、前後のフレーム(画像)で変化していない背景などのデータを省略し、動いた部分の『差分』だけを記録するなどの高度な技術を使ってデータを大幅に小さくします。テレビ放送やインターネット動画など、私たちの身の回りの映像体験の基盤を支えています。

具体例

私たちがスマートフォンやパソコンでよく見ている動画ファイルの規格「MP4」や、それを高画質に圧縮するための技術「H.264」は、MPEGの技術規格から生まれた代表例です。YouTubeで動画をスムーズに視聴できたり、高画質な映画を1本のデータとしてダウンロードして持ち歩けたりするのは、MPEGの圧縮技術のおかげです。

もう少し詳しく

MPEG(Moving Picture Experts Group)は、ISO/IECの合同専門委員会における動画圧縮技術の標準化グループ、およびその策定した国際標準規格を指します。動画データは、1秒間に30枚もの静止画を表示するパラパラ漫画と同じ原理であるため、圧縮なしでは数分間の映像でギガバイト単位のサイズになってしまいます。MPEGは、静止画の圧縮(空間的冗長性の排除)に加えて、「時間的冗長性の排除」を行うことで、圧倒的な高圧縮を実現しています。

時間的冗長性の排除には、「フレーム間予測(動的補償予測)」という高度な手法が用いられます。動画内の多くのシーンでは、カメラが動かない限り、背景などの映像は前後のフレームでほとんど変化しません。MPEGでは、映像を以下の3種類のフレーム(画像)に分類して記録します。

1. Iフレーム(Intra-coded picture):他のフレームを参照せず、単体で完全に再現できる画像フレーム。定期的に配置され、動画の基準点やシーク(早送り・巻き戻し)時の開始点となります。
2. Pフレーム(Predicted picture):「過去のフレーム」からの動きの差分(動きベクトル)のみを記録するフレーム。
3. Bフレーム(Bidirectionally predicted picture):「過去と未来の両方のフレーム」から予測し、その差分のみを記録するフレーム。最もデータ量が小さくなります。

このように、データの大半を「差分情報」だけに置き換えることで、劇的なファイルサイズ削減に成功しています。

MPEGには用途に応じて複数の規格が作られ、進化を続けてきました。
・MPEG-1:CD-ROMなどの低解像度用(ビデオCDなど)。音声圧縮部から「MP3」が生まれました。
・MPEG-2:DVD-Videoやデジタルテレビ放送などの高画質用。
・MPEG-4:インターネット回線やモバイル端末などの低帯域・多目的用。「MP4」コンテナ形式のベースとなり、高度な動画コーデック「H.264(MPEG-4 AVC)」や「H.265(HEVC)」と組み合わせて現在主流となっています。

試験でのポイント

IT試験においては、MPEGが動画と音声の圧縮技術に関する国際標準規格であることと、主要なバージョンごとの用途の違いがよく問われます。

試験対策上の主なポイントは以下の通りです。
・動画および音声の圧縮規格である:静止画だけでなく、「音」も含めたマルチメディアの圧縮規格である点を押さえておきましょう(MP3はMPEG-1の一部です)。
・各規格の用途の整理: - 「DVDや地上デジタル放送」で採用されている動画圧縮規格は? → 「MPEG-2」 - 「モバイル通信やインターネット配信、高圧縮率」を特徴とし、MP4形式の基盤となっているのは? → 「MPEG-4」
・圧縮の仕組み:「フレーム間予測(前後のフレームの差分データを記録する)」というキーワードが出たら、MPEGなどの動画圧縮の仕組みを指していると判断できるようにしましょう。

関連する用語

MPEGと関連が深い用語として、動画配信やファイル保存で最も広く使われているコンテナ形式の「MP4」や、その内部で使われる高度な動画圧縮技術「H.264」があります。また、MPEG-1の音声圧縮規格から派生した音楽ファイル形式の「MP3」や、テレビ放送や動画配信の基盤技術である「ストリーミング」なども密接な関連を持ちます。

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