VRの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

VR(仮想現実)とは

VRとは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)」の略で、日本語では「仮想現実」と訳されます。コンピュータの中に作り出された3次元の仮想空間を、まるで現実の場所であるかのように体験させる技術です。ユーザーは専用の「VRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)」を頭部に装着します。ゴーグル内の映像はユーザーの頭の動き(見上げる、振り返るなど)と連動して360度シームレスに変化するため、高い「没入感」を得ることができます。

具体例

例えば、ゲームの世界に入り込んで周囲をモンスターに囲まれる恐怖をリアルに体験したり、家にいながらにしてエジプトのピラミッドの内部を歩き回る仮想観光旅行を楽しんだりすることができます。また、医療の分野では、難易度の高い手術のシミュレーション訓練をVR空間内で行うといった、専門的な教育や訓練の場でも活用されています。

もう少し詳しく

VRは、ユーザーの視覚と聴覚(場合によっては触覚など)を物理的現実から切り離し、人工的な環境へと没入させる点が技術的な核心です。この没入感(イマーシブ感)を生み出すために、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)には左右の目に少しずつ異なる角度から描画した映像を表示する「両眼視差(りょうがんしさ)」が採用されており、これによって脳が映像を立体として認識します。

また、VRにおける動きの自由度は「DoF(Degrees of Freedom:自由度)」という単位で表されます。
・3DoF(3自由度):頭の回転(見上げる、振り向く、傾ける)のみを追跡します。その場に立って周囲を見渡すパノラマ映像の視聴に適しています。
・6DoF(6自由度):頭の回転に加え、前後・左右・上下への「体の移動」も追跡します。仮想空間内を歩き回ったり、物を拾い上げたりする双方向的なアクションが可能になります。

これらの動きを検知するために、ジャイロセンサーや加速度センサー、外部カメラを用いた「ポジショントラッキング(位置検出)」技術が不可欠です。また、映像の遅延(タイムラグ)やフレームレートの低下は、脳の視覚認識と内耳の平衡感覚のズレを引き起こし、「VR酔い」と呼ばれる体調不良を招く原因となります。そのため、高性能なグラフィックス処理能力と高リフレッシュレート(90Hz〜120Hz以上)のディスプレイ表示が技術的要件として求められます。

試験でのポイント

IT試験においては、VRの基本的な定義のほか、類似するxR技術である「AR(拡張現実)」や「SR(代替現実)」「MR(複合現実)」との定義上の違いが頻繁に出題されます。

試験対策としては、以下のキーワードと結びつけて記憶しましょう。
・VR(仮想現実):ユーザーの現実の視野を完全に覆い隠し、100%「コンピュータで作り出した仮想の環境」に没入させます。
・AR(拡張現実):現実の風景(スマートフォンのカメラ映像など)をベースに、一部の「デジタル情報を重ね合わせる」技術です。

問題文に「HMDを装着して周囲360度の仮想空間に没入する」「現実世界とは異なる環境をシミュレートする」などの記述がある場合は、VRを選択してください。また、遠隔医療や危険な建設現場のシミュレーション、製造業における設計レビューなど、ゲームやエンターテインメント以外のビジネス応用事例についても頭に入れておくと役立ちます。

関連する用語

VRの対比概念である「AR(拡張現実)」や、現実と仮想を融合させる「MR(複合現実)」は最重要の関連用語です。また、VR体験に必須となるデバイスである「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」や、仮想空間をリアルに描画するための「3D CG」、ユーザーの位置や動きを検知する「トラッキング技術」なども重要な関連キーワードです。

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